新型コロナウイルス

未だに「マスク」と「ワクチン」を崇め奉る日本人

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

未だに「マスク」と「ワクチン」を崇め奉る日本人は、一体いつまで“コロナ禍プレイ”をやり続けるのか

専門家は年中「気を抜くな」と言い続ける

ここからはさらに個々の設定を見ていこう。

【コロナには油断できる月は一切ない!】

Gettyimages

まるで『日本全国酒飲み音頭』が毎月酒を飲む理由を探すかのように、専門家は毎月のように「気を抜くな」と言い続ける。1~12月の理由と、その他、「〇〇が危険です!」と言われたものについて振り返る。

1月:正月と成人式でコロナになるぞ
2月:入試で人が動き、集まるからコロナになるぞ
3月:送別会と卒業式でコロナになるぞ
4月:花見と入学式でコロナになるぞ
5月:ゴールデンウィークでコロナになるぞ
6月:梅雨で室内にこもるからコロナになるぞ
7月:夏休み開始と海の日の連休と花火大会でコロナになるぞ
8月:お盆の帰省でコロナになるぞ
9月:新学期開始とシルバーウィークの移動でコロナになるぞ
10月:祭りや行楽シーズン、ハロウィンでコロナになるぞ
11月:気温が下がり始めるからコロナになるぞ
12月:クリスマスと忘年会と年末の帰省でコロナになるぞ

「危険設定」されたものは以下の通り。

屋形船が危険/タクシーが危険/ライブハウスが危険/パチンコ屋が危険/夜の街が危険/県をまたぐ移動が危険/ゴミが危険/宅配業者・郵便配達人が危険/東京五輪が危険/高校野球が危険/音楽フェスが危険(特に愛知県常滑市のNAMIMONOGATARI)/学校行事(入学式、遠足、修学旅行、体育祭、文化祭、運動会、合唱コンクール、林間学校、卒業式)が危険/帰省が危険/親戚同士集まるのが危険/大学が危険(小中高が対面になってもリモートを継続した大学が多かった)/給食が危険/K-1が危険/阿波踊りが危険/岸和田の「だんじり」が危険/接待を伴う会食が危険/正面で向かい合って食事をすると危険、斜めにすべき/公共施設における椅子をすべて使うと危険/2時間以上飲食をすると危険/5人以上で食事をすると危険/子供は高齢者にとって危険な存在/祇園祭が危険/隅田川花火大会が危険

茨城県で行われていた「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」は、2021年に茨城県医師会の反対により中止に追い込まれ、翌年からは千葉で実施されることになった。2019年には33万7000人が訪れた大規模フェスが消えたのだ。

あのさ、自分らの県の医師会の判断でフェス文化の灯を消しといて何言ってるの? ロッキンオンは東京の会社主催だから苦々しかっただけなの? luckyFesは地元企業で関係者に知り合いも多いから許したの? としか思えない。

「楽しいもの」を悪者にする一方で

次に、どう考えても腑に落ちない「謎設定」を振り返っていく。

【なぜか悪者にされない存在】
満員電車/高齢者施設/病院/役所/郵便局/選挙/国会/全国の議会/県知事や総理大臣への表敬訪問/テレビ番組/風俗店/マッチングアプリ/ラブホテル/AV撮影/相撲

これらでクラスターが発生したり、これらが原因で陽性者が続出したという報道は寡聞にして知らない。基本的には娯楽・祭・学校行事・各種式典・花見・会食(飲み会)という「楽しいもの」を悪者にし、規制をかける。

 

相撲が悪者にならない理由はよく分からない。激しくぶつかり合う力士はマスクしてないではないか。要するに勝手に専門家とメディアがこれらが危険な場所である、という「設定」にしただけなのだ。

それは初期の頃「不要不急の外出は避けてください」と散々アナウンスされたものだから、娯楽的なものは「欲しがりません、勝つまでは」状態になったのだ。

一方、上記【なぜか悪者にされない存在】は、必要火急だから悪者にするわけにいかなかった。一時期電車はガラガラになったが、さすがにリモートを延々続けるわけにもいかず復活。仕事のためには電車に乗らざるを得ないため、悪者にできなかったのだ。「窓を開ければ大丈夫」という謎の条件を付けることが免罪符となった。

政治や役所業務の中止も社会の停滞をもたらすためこれらも悪者にはされない。ただし、役所の宴会や議員のキャバクラ通いは糾弾の対象となった。

超濃厚接触であるラブホテルや風俗関連は専門家やメディアが口にするのが恥ずかしいからか【なぜか悪者にされない存在】になった。

なお、2021年3月24日、厚労省老健局老人保健課の職員23人が会食をしていたことが分かり批判された。19時15分に開始し、24時近くまで残っていた者が十数人いたという。この頃は都の要請で飲食店には21時までの時短営業となっていたが、幹事は23時まで開いている店を探していたのだという。

このニュースが出た時、「厚労省職員、大宴会が問題ないこと分かってるんだったらそのこと早く言い、コロナ騒動終わらせろ!」と思ったが、結局謝罪をし、厳正な処分をすると述べるだけだった。

テレビ番組が悪者にならなかった理由は、「コロナの危険について教えてくれる大切なもの」であることと、自分達で自分達のビジネスを否定するわけにはいかなかったからだ。一社ぐらい「我が局は大勢の人が働いています。クラスターになる可能性があるので、緊急事態宣言明けまで番組は流しません」ぐらい言えば良かったのにそんな局はなかった。

そして、テレビ番組のスタジオで出演者は妙なアクリル板を間には置いていたものの、マスクをしていない。この矛盾を述べるとコロナ脳は「スタジオは換気が良く、出演者は番組ごとにPCR検査をしているから安心だ」とくる。そしてドラマでは『孤独のグルメ』(テレビ東京系)ではマスクを着けていたが、大多数のドラマではマスクは外していた。ほぼすべての連続ドラマも主要キャストが欠けることなく無事オンエアを終了した。

『ワールドビジネスサテライト』(同)では、大江麻理子キャスターをはじめとした出演者が一時期マスクをしていたが、いつしかシレッと外していた。とにかくすべてが一貫しておらず「設定」が空気によってつくられていき、その設定に合致していれば悪者にはならなかったのだ。

また、「テレビ出演者は毎晩組の前にPCR検査をし、スタジオの換気は良い」という説が、出演者のマスクナシの根拠とされたが、これは真っ赤な嘘である。私はコロナ期間中、何度もテレビに出たが、レギュラーで出る番組では一度もPCR検査を要求されなかった。

2021年8月、イレギュラーで出た番組では検査を要求されたが、「それならば出ません」と伝えたところ、「中川さんを中心に据えた流れになっているので、ならば受けないでいいです」と言われ、ズッコケた。

換気についても嘘である。スタジオというものは室内にある。せいぜいドアを開けている程度である。「換気扇が優秀なのだ」という説もあるが、換気扇を回せばマイクが音を拾ってしまうため、換気扇を全開にすることなどできない。

不思議なのは、テレビ局も鉄道会社も上記のようなことを積極的に言わないのに、コロナ脳が勝手に擁護してくれる点である。

「なぜ出演者はマスクをしていないの?」「なぜ満員電車ではクラスターが発生しないの?」と矛盾点を突かれると、勝手にテレビ局と鉄道会社を一斉に擁護し始めるのである。航空会社は「機内の空気は3分で入れ替わるので安心です」と言うものの、結局は最高峰に厳しいマスク警察の業界になっていた。これも首尾一貫していない。

クラスター発生源の不都合な真実

このように【悪者】【悪者にならない存在】を見てきたが、ここで補足が必要だ。

彼らが言うところの【悪者】とは、「クラスターが発生しそうな場所」であるが、2023年4月24日~30日の「全国における施設別のクラスター発生割合」は以下の数字だった。

高齢者施設:65.52%、障がい者施設:5.75%児童施設:2.3%、学校施設:5.75%、医療機関:19.54%、飲食店:1.15%、事業所等:0%、その他:0%

高齢者施設と医療機関を合わせると85.06%で、【悪者にならない存在】の代表格である両施設がまさに「悪者」なのである。しかも高齢者施設など100%がマスクし、ほぼ全員がワクチンを規定の回数を打っているだろうに、クラスターの最大の発生源ではないか。こう指摘するとまた推測を元にした屁理屈が来る。

 

「高齢者施設の入居者は認知症の方もおり、マスクを適切につけられないケースもある」

いやいや、マスクを適切に着けている人間なんてほぼいない。不織布マスクを着用したうえで、四辺をビニールテープで密閉し、さらにその上からN95マスクを着けるのが「適切なマスクの着用」でしょうよ。認知症の人を悪者にするなよ。

iStock

マスクに関する設定も謎が多過ぎた。日本医科大学の北村義浩特任教授は「マスクはパンツのようなもの」「マスクにはワクチンと同等の効果がある」などと述べ、マスク神話の普及に貢献した。

だが、マスクの隙間は5μmで、30μmの花粉からは守ってくれるものの、PM2.5の2.5μmよりも大きい。ましてや0.1μmのウイルスをどのようにして防いでくれるのか。「飛沫を飛ばさないためだ」と言うのだろうが、それは元々咳が出る人間が周囲への配慮のために着用していたものであり、健康な者が着けることは想定していなかった。もはや口と鼻から出る「息」でさえ「飛沫」扱いされたのである。

WHOも含めた世界の見解の趨勢が空気感染になり、マスクの無意味さが分かっても相変わらず「飛沫恐怖症」の人々は多い。飲食店の店員がマスクをしていないだけで恐怖だったとツイッターに書き、「飛沫トッピングなど頼んでいない!」とキレるのである。空気感染にマスクは意味がない、と言っても「それでも着けないよりはマシだ」と来る。凄まじい信心である。

多くの国ではマスクの義務化は2022年初頭には終了。欧米でマスクをする者は稀である。東アジアと東南アジアではまだマスクを着けている者は多いが、互いに干渉はしあわなくなっている。

だが、同時期の日本は店内アナウンスや交通機関で「他の方の安心・安全のため、鼻まで覆うマスクの着用をお願いします」と何度も流された。実質的な強要である。

「マスク信仰」が定着した最大の理由

このマスクについても奇妙な設定が多数あったので振り返ってみよう。

◆知事・閣僚・総理は喋る時に外す
◆ただしマスクを外した総理が喋る場では閣僚は装着
◆飲食店店員は装着し客は外し楽しく会話
◆客は飲食店に入店する時、便所へ行く時、会計時、外へ出る時は装着。仲間と同じテーブルにいる時は不要
◆TVで芸能人・専門家・コメンテーターは不要で一般人は装着
◆G7の歓談・娯楽時は不要。ただし日本人の随行員は皆マスク
◆マスク警察は2重にすればいいのにそれをせず素顔の者に「マスクしろ!」とキレる。1+1=2ではないのか?
◆TVの収録中やドラマ・映画撮影中、演者はマスク不要。収録・撮影が終了したらすかさず演者も装着
◆卒業式等の集合写真では、「※撮影時だけマスクを外しています」の注意書きが流行る
◆会見が始まると政治家や社長等は「やれやれ」とばかりにマスクを外し始める。「それまで着けていました」アピールが重要
◆銭湯・温泉では、パンツを脱ぐまではマスク。最後に外すのがマスク
◆コーヒーのカップやペットボトルを持っていれば顎マスクはOK
◆新幹線で弁当を食べている時はマスクを外してOK
◆海外に行くと日本人であっても外してOK。ただし、日本に戻ったら装着(帰りの飛行機でも装着)
◆総理や知事、閣僚が海外に行き会談をすると外してOK、ただし日本に戻ったら即装着
◆総理が海外に着いた際、飛行機のタラップでは装着していないが、帰国時のタラップでは装着
◆プロ野球・高校野球ではスタメンの選手はベンチで外してOK、他の選手・監督・コーチは着用

前出・集合写真を撮り、ネットに公開する時の「※撮影時のみマスクを外しています」は、妙なマナーとして一時期定着した。

ただし、成人式の後にその会場から陽性者が複数名出ると「そういえば集合写真を撮影した時にマスクを外した。その時にうつった」ということになる。また、普段からマスク着用を呼びかける人物がマスクを外した写真をSNSに公開すると、そのダブルスタンダードっぷりへの批判が集まる。

マスク着用を訴え続けた医クラの一人に上松正和氏がいる。同氏が医師の峰宗太郎氏と一緒にネット中継をした際、2人がマスクを外した笑顔写真を公開。これを批判されると上松氏はこう答えた。

「マスクは感染対策の一つのなので、状況に応じてするものです。共に3回目の接種を終えて、日頃の感染対策も信頼できる人と2人でいる場合はその必要性は薄いです」――新たな謎設定の爆誕である。

上松氏か峰氏のどちらかがワクチン接種2回だった場合は「共に2回目の接種を終えて」という設定にしていたことだろう。とにかく彼らは自分にとって都合よく設定を作り、自己正当化をするのである。

また、マスクを重視し続けた福島県いわき市の内田広之市長は、Jリーグの試合会場の外で、妻と球団マスコットとの記念撮影をツイッターに公開したところ、当然ダブスタを突っ込まれた。この時の言い訳が秀逸だ。「撮影時のみ息を止めていた」と状況を説明。ああそうですか。でも今、そのツイート、削除していますよね。

ここまで「マスク信仰」というものは凄まじいのだ。その原点となったのは「マスクを外して15分以上一緒にいたら濃厚接触」という設定である。

濃厚接触認定されてしまうと営業停止・出勤停止に追い込まれるため、なんとしてもそれを避けるべく、マスクを常に着けるよう各施設やイベントは従業員と利用者に要求した。それが拡大解釈され、「マスクを外した瞬間があったらその時が感染のタイミング」「気が緩み、適切に着けていなかったため感染してしまった」ということになったのだ。

某小学校の教諭はこの簡易給食を食べた生徒が「おいしかった」と言ったことに対して「ほっこりした」とツイッターで書いた。そこは「こんな健気なことを言わせて申し訳ない」が本来言うべきことだ。何が「ほっこりした」だ!

なお、尾身氏は飲食の際、口にものを入れる時は片耳にマスクをかけ、口の中に入ったらマスクをすかさず着用する食べ方を提唱。「尾身食い」と呼ばれるようになったこの不潔な食べ方は、テレビの食レポでは大活躍だった。

コロナ脳が抜きたがる「伝家の宝刀」

そして、謎設定の本丸は何と言ってもワクチンだろう。

【ワクチンの設定が変化し続ける件】

河野太郎ワクチン担当相(当時)が「ワクチンを打てばそもそも感染しない説」を言い出し、これが「思いやりワクチン」という謎の概念に繋がった。岸田文雄首相も動画で「感染を防ぎます」と主張した。ワクチンの効果について、厚労省が2021年5月6日のアドバイザリーボード提出資料(更新・一部修正)を公表しているが、ここには以下のような記述がある。

〈 ○ファイザー社のワクチンやモデルナ社のワクチンについては、発症予防効果については、臨床試験において、95%程度のワクチン有効率が得られている。

※基本的に、感染予防効果については、臨床試験においては十分に示されていない。

○加えて、諸外国で実施されている疫学研究等により、徐々に感染予防効果を示す研究結果も報告されてきている。結果の解釈については、研究デザインの違いや、研究実施上の様々なバイアスを考慮する必要があるものの、複数の疫学研究等において、感染予防効果に関して、90%台のワクチン有効率が報告されている 〉

 

また、2023年7月1日でも見られる厚労省はワクチンのQ&Aコーナーでは、効果についてこう述べている。

〈 日本で接種が行われている新型コロナワクチンは、新型コロナウイルス感染症の発症を予防する高い効果があり、また、感染や重症化を予防する効果も確認されています。時間の経過とともに感染予防効果や発症予防効果が徐々に低下する可能性はありますが、重症化予防効果は比較的高く保たれていると報告されています 〉

岸田首相が6回目のワクチン接種をする動画を首相官邸のツイッターIDが公開したが、「皆さまや身近な人を守るため、ワクチン接種のご協力をお願いします」の文面が添えられた。

これらをまとめると、ワクチンの効果は2023年7月現在でも「感染しにくくなる」「感染しにくくなるから他人にも感染させない」「感染しても発症予防効果がある」「発症しても重症予防効果がある」「追加でとにかく打て」ということになる。なんという万能薬なのだ。

だが、2022年に日本は17週にわたって世界一の陽性者数を叩き出し、死者数も激増。コロナ死者数は2021年1月1日段階で累計3513人、2022年1月1日は18385人、2023年1月1日は57727人、そして5類化前日の5月7日は74669人だった。

「あきらかにワクチン打ってから陽性者も死者も増えていますよね。感染予防効果も重症予防効果もないじゃないですか?」と疑問を挟むと、すかさず伝家の宝刀が抜かれる。

「もしも打っていなかったらもっとひどいことになっていたのだ!」

「手を洗う救急医Taka」こと木下喬弘氏は元々河野太郎元ワクチン担当相に助言をしたり、mRNAワクチンを「神」と表現するなど、ワクチン推進を続けた人物だが、最近になって新たな名言を動画で発表した。

「ワクチンて実は水道水とか電気みたいな本当に大切な社会インフラなんよ。みんな電気使うやろ? 水も飲むやん? それと同じように当たり前にワクチンを受け入れて欲しい。だからワクチンの話ばっかしてるんよ」

その後に動画では「ワクチンすげ~」のテロップが入り、「検索 こびナビ」と自身の所属する団体のサイトへの誘導を呼びかけた。

マスクについても同じである。「マスクを着けても陽性者増えまくったじゃないですか?」と言うとこう返ってくる。

「マスクをしていなかったらもっと被害は大きかったはずだ! 100%の効果とは言えないかもしれないが、被害を減らす可能性があるだろ! マスクをしない人間を我々が守ってあげているんだ! マスクはシートベルト! マスクはヘルメット! あなたは雨が降っていても傘をささないのですか?」

この「〇〇しなかったらもっとひどかった(かもしれないだろ)論法」というものはもはや反証不能なのだ。

もはや布を崇める奇妙な宗教としか考えられない。そしてコロナ脳は悶絶的に比喩がヘタクソである。

厚労省の情報改竄を許してはいけない

厚労省は2022年4月10日まで発表してきたワクチン未接種・2回済・3回済者の人口10万人あたりの感染者数を改竄していた。それまでは未接種者の感染者数が大幅に多くなる数字だったのが、4月11日以降、途端に未接種者の感染者数が激減。中には接種者よりも少ない世代も出るほどだった。

突然変わった理由は、4月10日以前は、「接種歴」の欄に記入をし損ねた2~3割を「未接種」に含めていたからなのだ。すでに8割が2回打っていたわけだから接種者が記入漏れをする例も多数あっただろう。厚労省はワクチン接種の絶大なる効果を見せるためにこのような情報改竄をしていたのだ。

Gettyimages

なぜ、集計方法を変えたかといえば、名古屋大学の小島勢二名誉教授から指摘されたからである。小島氏は、オミクロン株誕生以降の各国のワクチン効果と比べ、日本だけが突出して効果が高いことになっていることに疑問を抱いた。そして、厚労省にその不審を問い合わせたところ、厚労省は改竄を認めたのだ。ただし「意図的ではない」とのこと。

厚労省のデータが専門家や知事を含めた政治家によるワクチン推奨の根拠だったのだが、これが根本から覆ったのである。いつしかこの接種回数別10万人あたり陽性者数の発表もやめた。都合が悪い結果が出てしまったのでは、と疑いたくなる。

さらに、ワクチンの使用期限が延び続けるのも意味不明である。ファイザーの従来型の場合、当初-90℃~-60℃の冷凍庫で保管し、6ヵ月の有効期限だった。しかし、2021年9月10日に9ヵ月となり、2022年4月22日に12ヵ月に。2022年年8月19日は15ヵ月に延長。2023年1月25日には18ヵ月、そして2023年6月29日に24ヵ月になったのである。

医療従事者のツイートを見ると、薬は使用期限があり、1日でもその日を過ぎると廃棄にするものだと呆れていた。なぜかこのワクチンだけは通常の薬とは別の扱いになっているのだ。

資料では「(1)1・2回目接種に使用している従来型ワクチンは、年内で国からの供給を終了する予定です」「(2)オミクロン株対応2価ワクチンは、1・2回目接種が完了しないと接種できません」とある。さらには11月18日にも念を押すかのようにこの件をツイッターに投稿。

「お前ら、年内に打たないと一生ワクチン打てないからな、さっさと打てよ!」と脅しにかかってきたわけだが、それまで差別にめげず、自分の頭で「こりゃ不要だ」と考える人間がこんな呼びかけで打つわけがない。非接種者からは「どうぞどうぞ、早く終了してください」や「やったー、これで金輪際新コロワクチン打たないで済む!」といった喜びの声があがった。

なんでこんなにコロコロ変わるのか

しかし、その後厚労省は内村航平もビックリのアクロバティックウルトラCを見せる。

初回接種(1回目・2回目接種)についてのお知らせ」という更新日不明のページには、「接種を行う期間は、令和3年(2021年)2月17日から令和6年(2024年)3月31日までです」とあったのだ! いつの間にか、2022年12月31日までではなくなっていたのである。なんと1年3ヵ月も延びたのだ!

Gettyimages

さらに、2023年4月26日の「新型コロナワクチン 令和5年春開始接種についてのお知らせ」という資料では、2023年度のワクチン接種のスケジュールを年齢別に分けて表にしている。

この表の中の2つの項目を見ておったまげた。「6か月~4歳」については「初回接種(1~3回目接種)従来型ワクチン」とあり、当然2023年9月以降も従来型ワクチンを打てることになっているのだ。そりゃあ、2024年3月31日まで打てるのだから当たり前だが。

続いて「初回接種がまだの方」という項目を見ると「初回接種(従来型ワクチン)は5月8日以降も引き続き受けられます。まずは初回接種を受けてください」とある。「まずは初回接種を受けてください」部分は黄色のハイライトをしている。それだけこの一言が重要なのだ。

というか、2022年12月31日で従来型ワクチンは接種できなくなるはずじゃなかったのか? なんでこんなにコロコロ日付が変わるんだ? 完全に無茶苦茶である。すべて、厚労省と専門家が「設定」を変えればどうとでもなるようなものだったのだ。

賞味期限改竄や、誤表記をした食品は回収・謝罪・返金、さらには営業停止に追い込まれるのが世の常だが、新型コロナウイルスワクチンについては何でもアリなのである。

そして武漢株対応にした点が実にこすい。要するに「武漢株対応から初めないとまともな抗体がつきません。物事には順番がありまして、オミクロン株対応や二価ワクチンを打つためには武漢株対応の接種が必要です」というロジックを崩したくないのである。

と思ったら、8月に入ると初回接種者もオミクロン株対応ワクチンを打てることとなった。もう何が何やら分からない。

情報が人々を狂わせ、社会を狂わせる

コロナの無茶苦茶な設定については延々に書き続けられるのでこの辺で最後にする。

【副反応は効いているサイン】

前項の続きになるが、なぜ6回も打つのか? 2回目までは分かる。2021年秋の空気感からすれば、ワクチンパスポートの議論もあったことから、もはや仕事をする条件であり、移動をする条件のようなものになっていたのだから。

3回目でやめた人も百歩譲って「まぁ……浅はかだが当時貴殿は怖かったんですね」と思う。だが、4回目以降打つ人間はもう知ったこっちゃない。散々ワクチン後の体調不良を訴える声がネットには書き込まれていたというのに疑いもなく打つのだから、もはやワクチンが大好きな人という認定で構わない。

 

Yahoo!リアルタイム検索で「ワクチン 打たなければ良かった」「ワクチン もう打ちたくない」「ワクチン 副反応 つらい」「ワクチン 5回目 もう打たない」「ワクチン 後悔」などと検索してみると人々が悶絶している様を見ることができる。かなり気の毒な状況にある人もいるし、ツイッターのプロフィールには「〇年〇月〇日、ワクチンを打ってから体調不良で」などと書く人もいる。

それでも打つ理由は「コロナが怖い。死にたくない」「周囲の人にうつしたくない」「念のため」「無料だから」という、情報弱者的感覚か過度な心配性かケチかのどれかである。まぁ、上記のような検索はせず、テレビの言ってることを鵜呑みにしているだけだろうが。

薬を飲むことにより発生する体の異変は「副作用」と呼ばれるが、ワクチンの場合は「副反応」。これはよく考え抜かれた言葉である。「副作用」であれば「薬のせい」だが、「副反応」は「あなたの体のせい」なのだ。この副反応をめぐっては、初期の頃、集団パニックともいえる状況だった。

テレビに出る専門家や、ツイッターの医クラが「副反応はワクチンが効いている証拠。あなたは超人になろうとしているのです!」という信仰を初期の頃生み出し、ワクチン信者は「副反応がキツければキツいほどコロナに対して強固な鎧を得ることができる」と信じた。

1・2回目の頃のツイッターのブームは、ワクチン接種後の体温計の示す温度を紹介することだった。38℃台であれば甘っちょろく、39℃台はなかなかの有段者、40℃台は黒帯、といった感覚で人々は「高熱自慢合戦」をしていた。

「キタキタキターーーーーー! 40.2℃! ワクチンが働いている! これでオレは超人だァァァ!」的に自慢する者が続出した。

さらにはワクチン接種に備え「スポーツドリンクと冷えピタとカロナール用意しました!」といったツイートも多かった。その後は実況中継のように「腕が痛い」「倦怠感がすごい」「こんなだるいの初めて」「3日間寝込んでる」「金曜日の接種にしてよかった」といった感想がツイッターには多数書かれた。

一体何のSMプレイだよ? としか私のような一度もワクチンを打っていない者は思う。

「6回目のワクチン、これまでの副反応よりはマシかな……」といった感想もあるが、私のようにまったく熱も出ない人間からすれば「なぜ自ら進んで熱を出しに行くの? その注射、あなたに合ってないんじゃないの?」と思うのである。まぁ、他人事だからどうでもいいが。

その中でも究極的なケースが「オトナサローネ」というメディアの編集者・星雅代氏(1976年生まれ)が執筆した『コロナワクチン6回目接種「過去でいちばん辛かったかも」毎回大苦労の編集者が実感したこととは』という記事だ。壮絶な記録である。

6回目を打ってから4時間後に37.3℃の熱が出て腕が痛くなるのを皮切りに、悶絶の記録が並ぶ。59時間後には36.5℃になるものの、〈いつもなら3日目には普通に仕事していた記憶があるのですが、今回は30分もパソコンに向かうと、もうクタクタ。しかも、いつもやっているのと同じ作業なのに時間がかかり、ベッドで休みながらしか仕事できない状態です〉という状態に。

〈 今回の副反応は、体力的にも精神的にも、本当にきつかった! 編集部の会議で経過を話したら、「星さん、それもうコロナかかっちゃったほうが楽なんじゃないの」と言われましたが、「いえ、重症化して死にたくないので」と答えました(後遺症も怖いですからね……)。

今回の結論:何回も打っていても、副反応はツライ。でも、また秋に接種が開始されれば、迷わず予約をとると思います。〉

本人の選択だからとやかく言う気はないが、最後の編集部メンバーの助言に対する同氏の決意を見ると、もはやコロナは精神に悪影響をもたらすウイルスだったのではないだろうか。

要するにコロナ禍とは、『コロナ論』著者の小林よしのり氏が2020年の初期に喝破した「インフォデミック」である。情報が人々を狂わせ、社会を狂わせるということだ。まぁ、でも、この編集者はまた打てばいいと思います。

日本はいつまでやり続けるのか

さて、厚労省が6月9日に発表した「疾病・障害認定審査会 感染症・予防接種審査分科会 新型コロナウイルス感染症予防接種健康被害審査第一部会 審査結果」という資料は、ワクチンが健康被害を与えたと認定し、医療費や医療手当を出すことを決定したものである。

中には以下の疾病名・障害名が並び、10代・20代・30代の若者も多数含まれている。その資料の1ページ目(全8ページ)から見てみよう。

免疫性血小板減少性紫斑病(43歳)、頻脈性不整脈・急性心筋炎(38歳)、IgA血管炎(33歳)、ギラン・バレー症候群(34歳)、痙攣発作(19歳・49歳)、急性心膜心筋炎(26歳・17歳・34歳・16歳・20歳・20歳・19歳・16歳・27歳)、右突発性難聴(46歳)、肺動脈血栓症・大腿静脈血栓症(47歳)、左上肢運動障害(18歳)、無菌性髄膜炎・帯状疱疹(33歳)、中毒疹(34歳)、気管支喘息発作(45歳)、多形痒疹・左上肢腫脹・疼痛・発赤(38歳)、末梢神経障害・頭痛(43歳)、急性咽頭炎・急性喉頭炎(39歳)

 

なにやら恐ろしげな病名が並びまくるが、これがその後の7ページも続くのである。

「ワクチンはメリットがデメリットを上回る」「若い人にとっては自分のためというよりは周囲の人のために打つ」(忽那賢志医師の発言)「思いやりワクチン」「ワクチン打とうぜ!」(福岡県のキャッチフレーズ)などに流された人々が上記のような被害を受けたのだ。これら被害はワクチン接種を推進した厚労省が認めたものである。

さて、日本はいつまで“コロナ禍プレイ”をやり続けるのか、この3年間、私自身相当なバッシングを受けながらコロナ騒動を批判してきたが、まぁ、当然の帰結だわな。結局、私のようなコロナを怖がらず、感染対策にもワクチンにも意味はないしウイルスは根絶できないという現実主義者のことをデイドリームビリーバーは理解できないのだろう。

貴殿らは永遠にコロナを恐れ、マスクをし続け、2050年に61回目のワクチンを接種してください。その時もオミクロン型であったとしても、疑問を抱かない人はもう処置なしだ(この皮肉が分からない人は一生分からない)。

・・・・・

さらに関連記事『「新型コロナ騒動」とは何だったのか…? “茶番”は終わったが、我々日本国民は「3年4ヵ月の失政」を絶対に忘れてはいけない』では、コロナ対策に関してガラリと変わった“空気感”について、論考しています。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントを残す

*

nine − five =