新型コロナウイルス

ブレイクスルー感染と未知の副反応

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ワクチン接種した人が再感染することをブレイクスルー感染(Breakthrough infection)といいます。

Wikipedeaによるとワクチン を接種した患者が、そのワクチンが予防する筈のものと同じ病原体に 感染 してしまう事を指す。

今始められている3回目のブースターショットは、ブレイクスルー感染を引き起こす危険性が非常に高いのです。逆に言えば、ブレイクスルーを起こすために、ブースターショットを行うものだと言うことです。これは、接種率の高い国とワクチンを十分に購入できない低率接種国の間では、高率接種国で感染拡大が起きていて、低率接種国では感染拡大が起きていないことから分かります。これについては以前紹介しました。

小島 勢二 名古屋小児がん基金理事長、名古屋大学名誉教授

9月4日、8日の読売新聞、ワクチン2回接種で予防効果が91%、2週間以上経過すれば95%。NHKではワクチン接種、感染者と死者を大幅に抑制か、という形で、確かに日本においてもワクチン接種率が上がって、確実に高齢者を中心にワクチンの効果が見られているということが報告されています。グッドニュースですが、

皆さんご存じのようにワクチン接種の先進国であるイスラエルですね。あるいはイギリスは、いったん減ったのがまた猛烈に増えてしまって、イスラエルでは100万当たり世界で最高のレベルになっていると。それに対しあまり接種が進んでいない国の方が、どちらかというと今、感染者が抑えられている。非常に素直に考えれば、何かおかしいなという気になってしまいます。

イギリスの感染者数ですが、確かに2回ワクチン接種がぐーっと上がって今60%、恐らく70%になった、これが感染者なんですが、一時これだけ増えていた、6万人になっていたものがグッと減ったんだけど、デルタ株の感染と共にまた5万人まで増えた。イギリスの人口が日本の半分ですので5万人ということは日本で言ったら10万人の大流行ですね。

これはアメリカの大学の報告でUCSDHですが、医療従事者の80%がもう2,021今年の3月までにワクチンを2回接種している。そういう意味でこの3月から6月までの期間に関しては新型コロナの感染症が非常に減って15人前後であったと。そしてこの15人前後の中で、いわゆるワクチンを接種したのに罹ってしまったブレイクスルー感染は20~30%ぐらいであったのが、6月からデルタ株が流行し始めたら、発症者が急に10倍になってブレイクスルーの割合が75%に増加した。

やはりデルタ株が出てくると、今までのワクチンの効果がなかなか期待できないというのが、どうしてもこの報告を見れば、先行しているイギリスあるいはイスラエルの事を考えると、日本も大丈夫かなと思ってしまいます。こういった変異株が出現した場合に関しての、特に衆集団免疫の観点から、もう既に3月にJAMAという有名な雑誌にコメントが出ているんですが、変異株が蔓延した場合に、実際に集団免疫の獲得は可能かって、もう3月の論文なんですが、感染が収まるのに必要な抗体ですね。

ワクチンの接種率は 1-1/基本再生産数 で計算されるようで、今まで元々のオリジナル武漢株なんかは基本再生産数が2と考えられていたので、従来では1-1/2=0.5、まあ50%が抗体陽性になれば集団免疫が獲得されるんじゃないか。これを目指してきたんですね。お子さんなんかは打たないから恐らく大人で7~8割、7割まで稼がないといけないというのはそういうことだったんですね、この3月。

ところがこのデルタ株の基本再生産数は水疱瘡と同じで5~8だという話になると、 1-1/8って言ったら、少なくとも集団免疫の獲得には80から90%ワクチンが接種されないと、子供も駆り出さないと、とても8割~9割にはならないという話に変わってきたわけです。

京都新聞 集団免疫の獲得 各国で絶望視 人口の7割投与を終えた国でもデルタ株蔓延、ということで目標とする集団免疫の獲得の70%の投与を終えた先進国でもデルタ株の蔓延で感染が拡大。時間の経過に伴いワクチンの効果が下がるとして、3回目どうこうと、まさに今、議論されているところですね。

そういうことで最初はmRNAワクチンが出来た時に、良いことはすぐそういった変異株に対応したワクチンを作ることが出来るから、そういう意味で安心できるっていう話は随分、皆さんご存じかなって思うんですが。そういうことでファイザーと元々のベンチャー、ビオンテックですね。ドイツのマインツにありますが、そこのCEOが感染力が強いデルタ株に対する研究用ワクチンの臨床試験、だからデルタ株に対してのワクチンを作ったので、必要だったらそれを使えるから安心しましょうという話になったんですが。

実は免疫学をやっていると、そこまで言えるかなという心配材料は昔からあったんですね。これはもう今から20~30年くらい前の理論でOriginal Antigenic Sinという考え方なんです。このSin

というのは所謂キリスト教でいう原罪ですね。いま、デルタ株、変異株に対して改良型ワクチンを作っている。しかし実際、最初にもう、武漢株のものを作っておりますので、こういったワクチンに由来する中和抗体だけが増えてしまい、必要とするデルタ株に関する中和抗体が十分産生されないと。こういったことは昔から理論として知られていて、実際そういうケースもあるので、今回の新型コロナがこれに当てはまらなければ良いかなと。新型コロナは色々、思ってもないことがいろいろありますので、こういった事までもやはり注意していかないといけないと思っています。

色々コロナワクチンにすごく期待していることは確かなんですが、つい最近に関してどうも心配材料がいっぱい報告されているんですね。

これはNew England journalの9月22日、ファイザーの第3相試験がもう半年以上前、それで95%の発症予防効果があるということで凄いなーっと思いましたが、そのフォローした結果ですね、そのあと半年後にどうなったかという結果がつい最近報告されました。それであれっ、と思ったのが死亡例の検討なんですが、プラセボで打たなかった方、ファイザーワクチンを打った方、それぞれ1万5,000人で見ると、死亡者が変わらない、死亡率が変わらないんですね、16対16で。

確かにプラセボでの3人のコロナによる死亡例が、ワクチン群では1例で減っているんですが、反対にこの青なんですが、どうも血管系、心臓に関係しているような死亡例が増えて、例えば心筋梗塞だとか、急に心臓が止まっちゃったとか、あるいはこれもコロナにより狭心症が起きたということで、結局相殺されて死亡率は変わりがないということが3日前に報告されて、あれっ、と思ったことは確かです。

またワクチンを接種しても、感染性のウイルスをまき散らす。これもつい最近の報告なんですが、これはどういうことかというと、ワクチンを打って感染、ブレイクスルーをした人のコロナワクチンのウイルス量をPCRで定量し、それとワクチンを打ってなくて罹ってしまった人のウイルス量をPCRで見ると差がない。

それで特にあれっ、と心配なのはasymptomatic:症状がないような人もやはりワクチンを排出しているという事は皆さん、ご存知かなと思うんですが、これを見ると有意差を持ってワクチンを打った後ブレイクスルーで感染した人のワクチン(ウイルス)排出量は、ワクチンを打ってない人から比べると、有意に沢山ウイルスを出している。まあそう言うんでは、ワクチンを打っててもやはり、マスクをしたり、どうこうというのは、これを見るとまき散らすわけですので、やめることが出来ないかなと。

これが一番気になる話なんですが、最近のイスラエルの報告です。イスラエルにおいて実際コロナに罹ってしまった人46,000人とワクチンを打ってブレイクスルー感染を起こした人、つまり自然感染をして再感染を起こした人と、ワクチンのブレイクスルー感染の頻度を比べています。

そうするとワクチンを打った人は自然に罹った人に比べて6倍感染者が多くなってしまった。発症者に至っては7倍多い。一番気をつけないといけないのは、ワクチンの後打ったのにもかかわらず、ブレイクスルー感染した人は21人死亡しているんですが、自然に感染して再感染した人の死亡者数は無いんですね。これも今後色々考えなくてはならない点かなと。

・・・イギリスの見解として、ワクチン接種によるベネフィットは現在知られているデメリットをわずかに上回るが、現時点では未知の副反応が存在する可能性は捨てきれない。よって健康な12~15才の全ての子供に、ワクチン接種を推奨することはしない。あくまでも子供本人のことなんですね。社会的にどうこうとは一言も言っていない。子供において一番私がこれであれっ、と思って賛意を持ったのは、未知の副反応。

それは先程話したような、例えば自己抗体が今後どうなるか、ということで自己免疫疾患が増える、一番はひょっとしたら白血病が増えたらとんでもない。そういった可能性は捨てきれないから、やはり健康な子供には打つべきではない、推奨しないというのがイギリスの見解なんです。

これに対して9月3日、日本小児科学会、全く同じ日の見解ですが、12歳以上の健康な子供へのワクチン接種は意義があると考えている。こういうことで12歳以上の子供へのワクチン接種が日本でどんどん進められていますが、ここまで違いがあることに関して疑問、あるいは小児科医、お母さん方も注意しないといけないと思っています。

まとめ:

1)ワクチン接種が先行しているイスラエルや英国の現況からは、我が国の集団免疫の獲得を目指した現在の方策を再考する必要があると思われる。

2)我が国の小児へのワクチン接種の是非については、子供本人のメリット、デメリットに加え、公衆衛生からの視点で議論されている。

3)英国ではワクチンの未知の副反応まで考慮し、未来のある子供全てを対象にしたワクチン接種を推奨しない事を決定した。

4)振り返って、我が国の現状はワクチンに関する情報が十分に開示されているとは言い難い。

5)今回の企画が、我が国での子供に対するコロナワクチンの接種を議論するきっかけになることを希望する。

 

 

 

 

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