てつろうくんの記録として書きました。
家族の一員である『てつろう』くんが7月12日、日曜日の朝、永眠しました。
7月3日の昼近くに帰宅すると、てつろうくんは力なくヨロヨロ起き上がります。やっと立っているように見えるので、これはおかしい。
その日の夕方、車で動物病院へ連れて行ったところ、獣医師は『腰のヘルニアではないか』というのですが、それにしては身体全体から力が抜けているため、飼い主としては納得がいかず、血液検査を要望しました。
検査結果によると、クレアチニン値は5.50(正常値は0.4~1.4)で本来腎臓から尿として排出できているはずなのに、この数値が明らかに高く、重症であることが分かりました。この時から毎日の病院通いが始まりました。
当初元気だった『てつろう』くんも、日一日と徐々に体力が弱っていきました。当初は自分で歩いて行ける状態だったのが、8日目となった最後の診察では自分で立つことが出来ず、抱きかかえて連れて行くようになりました。
獣医師によると『糸球体腎炎』という自己免疫疾患で予後は悪いといいます。
1日おいて3日目の採血ではクレアチニン値が15.09で約3倍になっています。既に薬には何の反応もしていません。これが手の施しようがない危篤の状態であるのは明らかですが、2,3日前は元気でピンピンしてたので、飼い主の方は何か悪い夢でも見ているかのように目の前で起こっている状況を飲み込むことが出来ませんでした。
それでも最後の時はやってくるのです。こちらの準備や覚悟とは関係なしに。
正直に言うと、まだ治るし治る方法はあると思い続けていました。まだ7歳になったばかりなのに。
まだまだ一緒に遊びにも行きたいし、旅行にも連れて行ってあげたい、もっと色々な人と会って可愛がってもらえるし、もっと楽しい思い出を沢山たくさん作って、仕事で留守番ばかりさせたので、のんびりとした老後を過ごさせてあげたい、そして12歳とか15歳まで・・・・・・・。
それが今、自分で立ち上がれず、横になって苦しそうにハアハア大きく呼吸をしている『てつろう』くん。この子が悪いわけでもないのに。何とか助ける方法はないのか、と手当たり次第に情報をかき集めましたが・・・・・・予後が悪い、自己免疫疾患は7歳前後に発症する、などの記述が目に入ります。
この状況、いつ何が起こっても不思議ではありません。2日ほど仕事は休みを取りましたがこれ以上は無理です。後ろ髪を引かれる思いなのですね。『じゃ、行ってくるから留守番しておいて』というと、てつろうくんはスッと立ち上がり窓の方を向いて座っています。
外から窓越しに見たときに、自分を見送ってくれているんだ、と分かりました。グッとくる瞬間です。しばらく『てつろう』くんと目を合わせていましたが、時間が来たので出発します。
動物病院には休診日を除いて毎日通いましたが、もはや点滴の薬さえ効かず、最後は痛みを取るための輸液をし、注射器に入った痛み止めの座薬を渡されました。
そして9日目の日曜日。7月12日です。朝から呼吸の速度が速くなっています。意識もないように見えます。この状態では病院へ連れて行くのは無理と思い、予約キャンセルの連絡を入れました。看護師の方は事態を察知したのか、ずっと付いていてあげて、と言います。
午前10時過ぎです。突然身体を硬直させ、何度か痙攣を起こし、大きな声を上げました。目を見開いたかと思うと横に寝た状態から立ち上がるようになり、そのままベッドに倒れ込みました。呼吸は既に止まっています。
『ごめんね。何もしてあげられなくて・・・・・・・・』こんな言葉しか出てきません。
『てつろう』くんは私にとって宝物です。先代コーギーの『だいすけ』くんを育てた経験と反省から、今度はもっと仲良くなれる、心が通じ合うことを心がけてきました。そのおかげで手のかからない良い子に育っていたし、友達のように一緒に寝て、起きて、遊んで、楽しかったのです。自分から自己主張してくる。
私が睡眠時無呼吸とメニエール病を発症し、治すための試行錯誤を繰り返している時、播種性血管内凝固(DIC)で死亡する手前まで行った時、病気や後遺症で社会生活が出来なくなった時、いつも一緒にいてくれたのは『てつろう』くんでした。
だからこそ、特別の存在なのです。
ずーっとこの時間が続けば良いと思っていました。
それなのにまだ7歳でどうして亡くなるのか、何故自分から奪うのか、という思いが強くなってきます。
本日9月12日はてつろうくんの命日から2ヶ月目です。やっと今日になってブログに記すことが出来ました。
『てつろうくん。一緒にいてくれて本当にありがとう。この時を胸に刻んでいきます。生まれ変わったら今度は健康で幸せになってね』