鼻や口、目などから伝わって肺に感染すると言われてきた『新型コロナ肺炎』ですが、しかし、どうもそうではないのではないか、という報告が出てきました。
当初は元気があったのに風邪のような症状から一気に重篤化。人工呼吸器に繋いだものの、治療の甲斐なく死亡してしまう。このスピードがとにかく早すぎる。
高齢者や糖尿病、心疾患などの持病を持つ人たちが特に危険にさらされています。
何が何だか分からない中で、もしかすると肺炎が原発性のものではなく、他に原因があって、そこから臓器が冒されていき、最後に肺炎に至っているのではないかと思いました。
チューリッヒ大学:ズザナ・ヴァルガ(Zsuzsanna Varga)
医学誌The LANCET掲載2020/04/20 Endothelial cell infection and endotheliitis in COVID-19
このような中、新型コロナ肺炎で死亡した患者を解剖したスイスの医師から、重要な報告がなされました。
それによると、コロナ患者の血管内皮にはコロナウイルスがこびり付いて増殖している上に、末梢の血管が崩壊し血液の流出、複数の臓器が壊死していると言うのです。
微小(末梢)血管機能障害、末梢の血管が崩壊して血液が流出し臓器の壊死が引き起こされる。
コロナ患者に見られるのは『全身に及ぶ血管の炎症障害』ということです。
(血管)内皮機能障害は、血管平衡を、その後の臓器虚血、関連する組織浮腫を伴う炎症、および凝固促進状態を伴うより多くの血管収縮へとシフトさせることにより、微小血管機能障害の主要な決定要因です。
この戦略は、男性の喫煙、高血圧、糖尿病、肥満、および確立された心血管疾患に関連する既存の(血管)内皮機能不全の脆弱な患者に特に関連する可能性があり、それらはすべてCOVID-19の有害な結果に関連しています。
つまり、血管に何らかの問題がある人に対しては、症状が重篤化する可能性。
そして血管を介してウイルスが全身に及び、最後の最後に肺が冒されていくというのです。
何とも恐ろしい話ですが、血液と血管を健康に保ち、コロナウイルスから身を守らなければいけません。
その方法はどこにあるのでしょうか。
関連する報道がありましたので掲載します。
「軽症・無症状」が脳梗塞に 30~40代相次ぐ 合併症か
30代から40代の新型コロナウイルス感染者が、脳梗塞になる可能性があるという。
新型コロナウイルスに感染した患者の足の指の写真。
「しもやけ」のように赤くなっている。
ウイルスが血液や血管に異常を引き起こしているとみられる症状。
スペインの皮膚科医 フアン・ガビン医師「おそらく一般的な病名は、Covid toes(コロナのつま先)。(この症状は)本当によくあって、ここスペインでは何百件もある」
さらに赤い斑点や、手足の甲(こう)が青くなる、あるいは黒い斑点ができる症状のほか、首にも現れることもあるという。
スペインの皮膚科医 フアン・ガビン医師「子どもと若者によく見られる典型的な(発熱などの)症状があって、2~3週間後に皮膚の異変が見られる」
フアン医師によれば、明確な原因はわかっていないものの、ウイルスによる血管内の損傷などが考えられるという。
こうした病変は「血栓」が原因となって、さらに重大な合併症を引き起こしているという見方もある。
米マウントサイナイ医科大学病院 重松朋芳助教「リスクが全くないような症例で、脳梗塞が見つかったので非常に驚いた。コロナウイルス特有じゃないかなと、今のところ言われている」
アメリカのマウントサイナイ医科大学病院の重松助教によれば、30代から40代で軽症か無症状の新型コロナウイルス患者が脳梗塞を起こすという症例が相次いでいるという。
その数は、2週間で5人。
患者の脳に何が起きたのだろうか。
米マウントサイナイ医科大学病院 重松朋芳助教「新型コロナウイルス自体が血が固まりやすい状況を作り出して、異常な血栓を作り、血栓ができたので脳梗塞を起こしたのではないかと考えている」
重松助教は、脳梗塞患者には検査や予防措置を取るよう警鐘を鳴らす一方、ほかの医師は…。
米・マサチューセッツ総合病院 市瀬史医師「このチューブが空気とNO(一酸化窒素)につながっています」
アメリカのマサチューセッツ総合病院の麻酔科医・市瀬史医師は、3月から一酸化窒素(NO)を吸入させる臨床試験を行っている。
一酸化窒素の吸入は、肺炎など肺疾患の治療に使われていて、血管を広げ、血を固まりにくくする効果があるという。
わかっていないことが多い新型コロナウイルス。
手探りの中での戦いがさらに続く。