植物油で認知症になることが言われています。まさかと思うかも知れませんが、調べてみるといくつも記事が見つかります。植物油といえばほとんどの加工食品に使われており、家庭での揚げ物にも、冷凍食品にも、スーパーの惣菜にも、コンビニの弁当にも、外食のファミレスにも、あらゆるものに使われていると言って良いくらいですね。
植物油が認知症の原因になるというのは、科学的に証明されたことではありませんが、一部の研究者やメディアが指摘していることがあります。12
植物油に含まれるリノール酸を加熱すると、ヒドロキシノネナールという神経毒を発生させるという説があります。2 この神経毒が脳細胞を傷つけて認知症を引き起こす可能性があると考えられています。
しかし、エビデンスが出てくるまでは、といっても、以前紹介したデパスのように30数年経ってからでないとはっきりしたエビデンスは出てこないようですから、因果関係不明で片付けてしまうわけにはいかないようですね。歴史的には戦後に進駐軍が小麦と共に植物油を持ち込んだといわれています。有毒成分のもとはヒドロキシノネナールというもので、脳神経細胞にダメージを与えるとされています。
将来認知症になり、寝たきりで家族に手をかけさせることを考えれば、今のうちから油を断つことを実行した方が良いでしょう。記事により一部の植物油はOKだとされていますが、出来れば全部だと私は思います。もちろん小麦も様々なダメージを与えるため止めるべきですね。油と小麦を断つことで、次のパンデミックが来ても守られるようになると思います。
毎日の「サラダ油」が認知症を進行させる!
アルツハイマー病の「真犯人」とは?
私は脳科学専門医として、金沢大学大学院医学系研究科で脳の神経細胞に関する基礎研究を行っています。それと併せて、金沢大学附属病院や市中病院などで、脳の病気に苦しむ患者さんの診療も行っています。
40年ほど臨床医を続けてきて、ここ数年、実感していることがあります。それは、症状が完成した認知症の患者さんだけではなく、その予備軍がものすごい勢いで増加しているということです。
なお、本記事でいう「認知症」とは、世界的に最も患者数が多いアルツハイマー型認知症(アルツハイマー病)を念頭に置き、それを中心に述べていくことをご承知おきください。
アルツハイマー病の「真犯人」とは?
アルツハイマー病の原因としては、ここ半世紀近くもの間、脳内に蓄積する「アミロイドβ」という物質の関与が強く疑われていました。「タンパク質のゴミ」であるアミロイドβが脳内に蓄積し、老人斑(アミロイド斑)として沈着し、やがて神経細胞が死滅していくという「アミロイド仮説」が有力視されてきたのです。
しかし、10年ほど前から、アルツハイマー病の研究者の間では、「アミロイドβ犯人説」に疑いの声が高まってきました。
では、アルツハイマー病の根本原因とは、実際のところ、何なのでしょう? 私は、「ヒドロキシノネナール」という毒性物質こそが、アルツハイマー病の原因物質であるという新説を立てています。
ヒドロキシノネナールと聞いても、みなさん、ピンとこないかもしれません。ヒドロキシノネナールの「ナール」というのは、「アルデヒド」の別名で、実は両者は同じものです。
「アセトアルデヒド」という言葉を聞いたことはありませんか? これは二日酔いの原因物質です。アセトアルデヒドであれば24時間以内に分解されて体外に排出されるので、さほど問題はありません。しかし、ヒドロキシノネナールは体内に残り、少しずつ蓄積されていく非常に厄介な代物なのです。
認知症患者の脳では神経細胞が死んでいる
ヒドロキシノネナールは大事なキーワードです。覚えづらいので正確に暗記しなくても、「ヒドロちゃん」とでも呼んで記憶にとどめておいてください。
ヒドロちゃんは端的にいえば「毒」です。サラダ油の主成分であるリノール酸がセ氏200度前後に加熱されると、ヒドロちゃんは急激に増えます。
これが体内に入ると、まるでドミノ倒しのように細胞膜のリン脂質を酸化し、ついには、神経細胞だけではなくあらゆる臓器の細胞を死に追いやります。
そうなると、脳の神経細胞は死んでしまい、最終的には「海馬」という「記憶の指令センター」が萎縮してしまいます。
海馬の萎縮は、認知症の大きな特徴です。認知症の人の脳をMRIやCT検査(断面像として描写)で調べると、脳自体が萎縮していなくても、海馬は必ず小さくなって隙間が空いているのを確認することができます。
つまり、サラダ油を取るという行為が、体内(特に脳内)にヒドロちゃんを蓄積させ、熱ショックタンパク質70(脳の神経細胞の生存に必須のタンパク質)を酸化損傷させます。その結果、神経細胞が死滅し、海馬が萎縮するという悪循環につながってしまうのです。
そこで、私が診療において、患者さんたちに強くお勧めしているのが、「脱・サラダ油」生活です。
具体的には、家にあるサラダ油は捨て去り、原材料ラベルにサラダ油を原料とする「植物油脂」「食用植物油」などと書かれている市販品は口にしない生活です。サラダ油のみならず、それを原料に作られたマヨネーズやマーガリン、ドレッシングなども口にしないことです。
みなさん、「そんなの簡単!」と思うかもしれませんね。でも、いざ実践しようとすると、意外に難しいことに気づくはずです。
試しに、スーパーやコンビニで、惣菜や加工食品、スナック菓子やデザートなどを手に取ってみてください。
パッケージの裏の原材料表示を見てみましょう。かなりの確率で「植物油脂」「食用植物油脂」という表記を目にするはずです。これらはサラダ油でできています。
意識して観察してみると、サラダ油を使った加工食品があまりにも多いので、きっとびっくりするでしょう。
加工食品に多い、隠れ「サラダ油」に要注意!
問題なのは「植物油脂」「食用植物油脂」「ショートニング」など、加工食品やスナック菓子などに紛れ込んでいるサラダ油です。
たとえば、コンビニやスーパーに並ぶパン、ポテトチップス、それに天ぷら、フライ、カツ、串揚げなどの惣菜……。また、冬にコンビニでおでんでも買うとしたら、がんもどき、さつま揚げはサラダ油で揚げられています。
では、自炊して家でカレーでも作ろうと思えば、市販のルウにはしっかり「植物油脂」が含まれています。カレールウの原材料表示を見ると、だいたい最初に書かれているのが「植物油脂」「食用植物油脂」です(原材料の成分は、通常、多い順に表記されています)。マヨネーズも同様に、原材料に「食用植物油脂」「菜種油」などとあります。
インスタントラーメン、カップ麺も「ノンフライ麺」を除けば、サラダ油で揚げられています。
ほかにも、スーパーやコンビニで売られているケーキ、プリン、シュークリームなどには、高価なバターの代わりに、「植物油脂」がよく使われていますし、食パンや菓子パン、デニッシュ類の多くは生地を練りこむときにマーガリンが練りこまれています。また、クッキー、ビスケット、パイには、さくさくとした食感を出すためにショートニングが使用されています。
デザートやパン類、デニッシュ類、洋菓子を買うのなら、原材料表示に「バター」と記載されているものを選ぶようにしましょう。
そんな「見えないサラダ油」を避けるには、自分の口に入れるものは自分で作るという基本方針でいくのが、健康を守るために非常に大事です。手作りであればどんな油を使うのか、自分でセレクトできるからです。
脳と体にいいという理由で、私が積極的にお勧めする油は、次の5つです。
価格は、ごま油は1㏄当たり2〜3円、米油は1㏄当たり3〜5円、オリーブオイルなら1㏄当たり10円程度、えごま油、亜麻仁油は5〜10円を目安とします。品質のよい製品は、手間と時間をかけて低温圧搾して作られるため、大量生産はまずできません。すると、価格は当然ながら高くなります。
また、使用量を考えて、酸化が進まないうちに開封後1〜2カ月以内に使いきれる分量を購入します。
30~50歳代の食生活が予防の要
認知症を恐れるなら、有効な手立ては、サラダ油をきっぱりとやめてしまうことです。もしもあなたが30代、40代で、「認知症なんて20年、30年先の遠い将来の話だし。私には関係ないね!」なんて考えているのであれば、その認識は直ちに改めてください。
認知症の代表格であるアルツハイマー病についていえば、発症は65歳以上の高齢者に多いのですが、発病は、実は20年以上も前の40代から始まっています。
仮に、45 歳で発病した場合、ゆっくりゆっくり進行し、65歳で何らかの症状が出て発症します。その後、70歳くらいで正式に認知症と診断され、確定診断された患者の場合、その余命は平均するとおよそ10年なので、だいたい80歳で死を迎えることになります。これが、最もポピュラーなアルツハイマー病の生活史となります。
つまり、発病と発症の前、30~50代をどう生きるかによって、発症の時期を遅らせることができるか、できないかが決まるのです。
では、50代になって初めて気をつけだすのではもう遅いかといえば、そんなことはありません。たとえ、50代ですでに”発病”していたとしても、”発症”を少なくとも5年は遅らせられると考えると、実際には70歳前後での発症となります。
みなさん、30代、40代は、認知症になるにはまだまだ若いとお思いですよね。でも、決して、心配しなくていいというわけではありません。確かに先のことではありますが、サラダ油にまみれた生活を続けていれば、脳内にはヒドロキシノネナールの蓄積が進む一方です。そして、真綿で首を絞めるように、神経細胞は時間をかけて1個ずつ確実に死滅していきます。
実は私は、若い世代や子どもたちにこそ、「脱・サラダ油」生活を実践してほしいと願っています。ファストフードやスナック菓子、サラダ油で調理された料理を食べ続けていると、ヒドロキシノネナールは知らず知らずのうちに、少しずつ少しずつ体内に蓄積されていきます。
むしろ、中高年よりも若い世代のほうが「サラダ油」漬けの生活にどっぷりとはまり込んでいるため、将来的に見た蓄積度合いは深刻かもしれません。
発症年齢に近い50代でも悲観する必要はなし
そして、発症年齢に近い50代の方は「発症までもう時間がない、遅かった……」と悲観することはありません。
50代でもまだ認知症の魔の手から逃げ切れる可能性は十分にあります。仮に”発病”していたとしても、”発症”するまでの年齢を遅らせ、できるだけ時間稼ぎをして、自身の健康寿命を平均寿命に少しでも近づけるように努めればいいのです。
認知症は、最初は勘違い程度の物忘れやちょっとしたうっかりミスから始まって、緩やかな長〜い下り坂を下りていきます。そして、確定診断がつく頃には、まさに1年ごとに加速して転げ落ちるような状態……「あの人、誰だっけ?」「あれ、ここはどこだっけ?」となってしまいます。だからこそ、認知症は早期発見、早期治療が大事なわけです。
そもそもは発病しないことがいちばんですが、仮に”発病”していたとしても、”発症”をいかに遅らせ、健康寿命を引き延ばせるかが重要なのです。
サラダ油の多くは菜種、大豆、とうもろこしから油を搾って作られています(半数以上が菜種)。どうやって油を搾るのかによって、油に含まれる成分が変わってきてしまいます。
スーパーで売っているサラダ油の多くはヘキサンという「油を効率よく溶かし出すための化学物質」を使っています。ヘキサンは危険な物質なので製造過程の中で取り除かれるのですが、どうやって取り除くのかと言えば「数百度の高温でヘキサンを飛ばしてしまう」のです(要は揮発させる)。
この高温をかける製造工程が問題なのですが、これについて説明します。何回かヘキサンを取り除く時のように「高温で処理する工程」があるのですが、その時に油に含まれる不飽和脂肪酸がトランス脂肪酸に変化するのです。これは以下のように農林水産省のホームページにも載っているので事実です。
また、植物から油を絞る際には、精製する工程で好ましくない臭いを取り除くために高温で処理を行います。
この際に、植物に含まれているシス型の不飽和脂肪酸からトランス脂肪酸ができるため、サラダ油などの精製した植物油にも微量のトランス脂肪酸が含まれています。農林水産省のホームページより引用
このトランス脂肪酸は認知症の原因にもなると言われています。スーパーに並んでいるサラダ油のほとんどは高温で搾られた量産タイプの油ですので、「認知症になりたくなければサラダ油を買わない」ことがベストです。そして、家にあるサラダ油を全て捨ててください。
「使い切ってから」なんて貧乏性みたいなことを言わないで、即処分。
アメリカでは2018年からトランス脂肪酸に対して規制が入りますが、日本は企業保護のために野放しなので気を付けましょう。
神経毒の発生
また、サラダ油に含まれるリノール酸は加熱してしまうとヒドロキシノネナールという有害物質を発生させ、脳神経の細胞にダメージを与えます。そうすると記憶を司る海馬が萎縮してしまい、記憶力の低下が起こり、認知症の原因となります。
ですので、サラダ油をフライパンに入れて、何かを炒める料理や揚げ物を作るのは危険すぎますので止めた方がいいです。製造過程での過熱段階で既にヒドロキシノネナールが含まれている製品もありますので、注意が必要です。
サラダ油は消化された段階で神経毒になり、血液中に取り込まれ毒ガスのように体内に循環し、細胞内に吸収されていきます。細胞は酸化のスピードを速め、やがて神経機能や脳機能が低下していくのです。
サラダ油を摂らない工夫
①サラダ油はバター・ラードなどの動物油の代わりとして、ラーメンやお菓子・スイーツ・加工品に多く使われています(サラダ油は使いやすいし、安価なので)。
お菓子、マヨネーズなどの原材名の箇所に「植物油脂」などと書かれていたら、これはサラダ油が原料である可能性が高いので買うのを止めてください。
②お肉を買ったときにお肉の端についている脂身、その脂身で野菜炒めなどを作る。
③植物油を買う場合には先ほど説明したヘキサンで処理していない油を買いましょう。
こういうタイプの油はヘキサンで油を効率的に溶かす工程がないので、手間がかかっています。ごま油であれば「生搾り」です。これはヘキサンを使わず圧搾して作る伝統製法(低温圧搾法など)です(簡単に言うと潰して油を搾る製法です)。
ごま油は高温を加えてもヒドロキシノネナールが少ないですので、低温圧搾法などで作られたごま油で野菜を炒めたらいいと思います。製造に時間がかかる分、金額は高いですが、将来の病院代などを考えれば安いと思います。