しばらく事故が起こらなかったのに、1件の事故が発生したことを機に、次々に連続して事故が起きてしまう。
会社としては一大事です。何故だか分からないが、何としても止めなくてはならない。
この時に出来ることは『緊急事態発生』だとかの張り紙を各事業所に貼る、事故惹起候補である残りの乗務員を叱咤して引き締めを図る、
乗務員を小グループに分けて、その中の1人の事故はグループ全体の連帯責任とする、
そして事故を起こした乗務員を安全推進会議と称して皆の前で叩く、本人が皆の前で事故の報告をしてお詫びする、
相手の方に対して怪我や多大な損害を与えただけではなく、社会にも会社にも迷惑を掛けている、
何故この時に確認しなかったのか、何故ここで止まらなかったのか、何故車間距離を空けなかったのか、何故信号の変わり目で行ってしまったのか、
しかしですね・・・・・これで事故の連鎖は止まりましたか?
最近、身近な所でこういう現象が起こりましたので、今回は負の連鎖について書いていきます。
『負の連鎖(negative chain)』とは良くないことや悪い出来事が立て続けに起こり続いてしまうこと。または一つの出来事をきっかけに連鎖的に悪いことが続くこと。
事故を起こすことに厳しい会社(当然です)では常日頃、事故を起こしてはいけない、と毎回ミーティングで繰り返し語られているのですが、それでも事故はある日突然起こってしまうのです。
会社も乗務員も皆が恐れている、絶対起こしてはいけないもの、それが交通事故なのです。
それだけにというか、だからこそ集団同調圧力は事故を起こさない方向に強く働きます。
そこの乗務員にとって、交通事故は身近にいつでも起こり得る危険なので、余計意識するようになります。
いつも一緒にいる同僚が事故を起こせば、人ごとではなくなります。
次はもしかしたら自分が、という不安がよぎることもあるでしょう。
『安全推進会議』で事故を起こした本人を叩けば叩くほど、その周りの人も強く意識して事故を恐れるようになります。
これは『予言の自己成就』といってその事に囚われてしまい、意識すればするほど余計に囚われてしまって、望んでもいない事故を自分が引き起こすことになります。
だから事故を起こした本人を叩いたところで事故は無くなるどころか、さらに繰り返し事故が続いていくのです。
これが負の連鎖(negative chain)です。
そこの事業所の雰囲気が重々しく厳しいものだったりすれば、さらに集団同調圧力は強いものになります。
結局、事故を引き起こしているのは管理者の対応そのもの、ということになります。
事故を起こさないために叱咤しているこの管理者は馬鹿なのでしょうか?
自分がしていることが、意図せざる方向に働いている。
残念ながら、このことを否定する材料はありません。
負の連鎖を食い止めるにはどうすれば良いのか?
これと逆の方向へ持って行くしかないのです。
まずは事業所の空気を明るくして、伸び伸びとやる気が出る雰囲気作りから始める必要があります。
事故を起こした乗務員は、事故を起こす理由があった(後述します)のだから、それをきちんと実行すれば事故は起こらない、と言わなければなりません。
事故を起こしてはいけない、では大雑把すぎて聞いている方は何が何だか分かりません。
すべての責任が自分にかかっているのかと誤解さえ生まれます。
もし自分の事業所で事故が起きていなければ、事故惹起事業所とウチは別だから関係ないよね、ウチはメンバーのレベルが違うからね、とキッパリ言ってのけた方がいいのです。
最後に後述の件です。
もし仮に、事故を起こした本人が『確認が抜けた』というなら、必ず同行してチェックをしなければなりません。
何故なら、いつ、どういうときに、確認が抜けるのか、本人も気づいていないことがあるからです。
当の本人は、「この時だけ、たまたま確認が抜けた」と思っていることが多いのですが、
しかし他人がチェックしてみると、どうもそうでないことがあるからです。
いつ、どういうときに、確認が抜けるのか?
本人が理解することは、今後の事故防止にとって重要です。
I wish mankind victory over disease
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