カウンセリングで行われることは日常の会話と違って、ある特定の部分に焦点を当ててクライエント(来談者)の話を促進したり、立ち止まって考えて貰ったり、その時に体験した感情などを検討したりします。話を聞く方は、当然色々な方法を使いクライエントを現実に適応させる、または課題を解決するように働きかけていきます。実はカウンセラーの養成には年単位の時間がかかり、実習を重ねて一人前になるものです。
これはスキルの塊で、一旦身につくと車の運転と同じで、忘れることはないと思います。ブランクがあって数年ぶりに実務に就く人でも、数件の経験で元の感覚を取り戻せるという人がいたりします。近年は座学といって学科の教育に力が入れられているようですが、理論や療法の学習をしても実習がないと現場で使えるようにはなりません。ですからトレーニング歴は重要です。(私は毎週末に通って約14年ほどです)
人生脚本と禁止令とは何か
ここでは難しい説明は省略します。もっと知りたい、興味のある方はエリック・バーン『交流分析』の本をお読み下さい。
「人生脚本」とは、幼少期に親から受け取った否定的なメッセージや行動によって形成された、無意識のうちに繰り返している思考・行動のパターンを指します1。具体的には、恋愛関係や仕事などで同じようなパターンを繰り返すことを意味します。この人生脚本は、幼少期に親から受けた「12の禁止令」と「5つのドライバー」によって形成され、人生に大きな影響を及ぼしています。ただし、禁止令とドライバーは気づくことで書き換えることが可能で、心理カウンセリングやインナーチャイルドセラピーを利用することで、より確実に変えることができます1。2。3
幼少期に親から受け取ったメッセージや行動が、大人になってからも無意識に繰り返されているという点です。これが人生脚本です。もうすっかり忘れている方もいるかも知れませんが、意外に幼少期の影響は大きいものです。これに気付いて自分を解放することで、現在よりも生き方の可能性や幅が広がります。この脚本には無意識に従ってしまう禁止令と、何かに駆り立てられるドライバーがあります。
禁止令(グールディングの禁止令)
幼少期にあたかも電極のように埋め込まれ、自らそれを受け入れて生きていくものです。いつの間にかそのように行動したり、感じたりしている。
・存在してはならない・・・・私が誕生したとき皆から歓迎されただろうか いま、人から必要とされているだろうか 自分はいない方がいい 自分を大事にできない
・男(女)であってはならない・・・・自分が男性、女性であることに自信が持てない 本当は男の子(女の子)が欲しかった 社会的な性別に適応できず自己同一性が確立できない
・子供のように楽しんではならない・・・・幼少期に親と死別して弟妹の面倒を見なければならなくなった 好きなことを犠牲に
・成長してはならない・・・・『可哀想』『やらなくていい』と言われて依存するようになる 『かまってもらえる』過保護の影響
・成功してはいけない・・・・いつも失敗を繰り返す 成功するのが怖い そのあとで失敗するだろう
・実行してはいけない・・・・『~するな』『~しない方がいい』が強い 許可がないと何もできなくなる
・重要な人物になってはいけない・・・・親からの放置や無関心を受け、責任を負うことや目立つことを避ける
・みんなの仲間入りをしてはいけない・・・・親の過干渉で友人関係になりにくい 親密になりにくい
・愛してはいけない(信用してはいけない)・・・・『どうせ自分は受け入れてもらえない』親からの拒絶経験から 人との間に壁を作ったり対人関係に自信がない
・健康であってはいけない・・・・病気になったり怪我をしたり、心を傷つけられると優しくしてもらえる 疾病利得
・考えてはいけない・・・・『親の言うとおりにしなさい』 『あなたは何も考えなくていいの』 指示されないと動けない 自分で考えられない
・自然に感じてはいけない・・・・感情の抑圧 『我慢しなさい』 感情表現に乏しくなる
何かネガティブなことばかり出てきましたが、自分で気が付いて脚本を変えようとすれば変えられます。さらに脚本を補強するものにドライバーがあります。
ドライバーとは
簡単に言うと『~ねばならない』という信念に駆り立てられることを言います。現代人はこれが強い傾向にあります。別に法律で決まっているわけでもないのに、そうしないといられないのですね。
・完璧であれ!・・・・厳しいしつけを受けて完璧でなければいけない、失敗は許されない! 相手にも厳しくなる
・もっと努力せよ!・・・・『もっと頑張りなさい』全力を尽くさなければと思い、休養を取れない 周囲の助けを求められなくなる
・喜ばせよ!・・・・自分を犠牲にして『人に尽くしなさい』 余計なお世話を押しつける みんな喜んでくれるはず
・急げ!・・・・『早くしなさい』急かされて焦りを感じる 時間が無いと焦りを感じてしまう あとですごく疲れる
・強くあれ!・・・・弱い自分を無意識に否定し、弱音が言えなくなる 虚勢を張るものだと思っている
日常の習慣として身についてしまっていることから、なかなか変えられないと思うのではないでしょうか。しかし『完璧でなくとも合格点なら良い』『努力は必要だが疲れない程度に』『自分も楽しむことができる』『事故や失敗をしないように速やかに』『弱音を吐くときがあっても良い』と変えていければ、ドライバーから解放されるでしょう。
以上、交流分析から脚本と禁止令、ドライバーについて説明しました。ここで紹介したことは普段の考えや行動から理解することができます。思い当たることがある場合は、まずそれによってどのような行動になるのか、その結果、自分がどのような気持ちになるのか、そして今後どうなりたいのかを考えてみて下さい。カウンセリングを利用するのも有効です。大事なことだと分るけど、自分がどのような脚本で生きているのか分らないという人には、エゴグラム分析がありますので利用して下さい。
ネット上に色々なサイトがありますので2つ紹介します。 私はNP優位で『大阪のおばちゃんタイプ』だそうです。
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新・あるカウンセラーのノート 古今堂雪雄 関西カウンセリングセンター
現代のエスプリ カウンセリングの技法 岡堂哲雄 至文堂
エリック・バーン TA(交流分析)の誕生と発展
新規事業ご案内
新規事業として一般向け『電話によるカウンセリング業務(有料)』が始まります。ご案内ページをご覧になりお申し込み下さい。18歳以上の方が対象になります。非接種者として辛い思いをされてきた方のお話を聴かせて戴きます。https://k-doujou.com/counseling-1/
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