新型コロナウイルス

超過死亡を再考する

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超過死亡を再考する

5-11歳のワクチン接種:小島勢二医師からのメッセージ 今日本で起きている事を踏まえ、子どもの接種を検討することが大切です

新型コロナが世界中で流行して、日本を除いて海外ではほとんどの国で2,020年に超過死亡が増えてしまった。それがおそらく新型コロナによるせいではないかと言われているんですが、ところが日本においてはマイナスという形で、2,020年はかえって予想よりも減ったんですね。ところが昨年2,021年になってから逆転して超過死亡が見られるようになった。これをどう考えたら良いかというのは、大きな問題だと考えられます。

2,011年東日本大震災と比較しても戦後最大の数字。その原因について国立感染症研究所の鈴木センター長は『新型コロナの流行が原因の一つとみられ、特に超過死亡数が多い地域では医療のひっ迫が影響した可能性がある』という説明をしています。

ただ海外の状況とか色々見ると、ちょっとこの説明では納得できないところがあるんですね。2,020年に観察された世界の超過死亡では、増える割合はせいぜい1.3倍とか1.2倍なんですね。

ところが去年の日本で見られた超過死亡というのは、死亡者数が3,000人に対して超過死亡が10,000人。コロナによる死亡数の3倍以上が起きてしまっている。海外ではせいぜい1.2倍、1.3倍なのが、日本ではどうして3倍に、海外に比べてそんなにコロナが流行したかなと。率直な印象です。それ以上に変だなというのは大都市圏の東京、大阪、愛知で起きたといいますが、それ以上に変なのは、鳥取0、島根0、山梨1でこういう県でも超過死亡が50人、60人報告されているんですね。

こういった県で医療のひっ迫があって入院できない為に死亡者が増えたとはとても思えないので、疑問に思ったことは確かです。

さらに原因ですね。2,020年と2,021年で増えた死因は何が多いかということを比較してみたんです。そうするとコロナで死亡とすると、場合によっては肺炎が増えたかも知れないですが、肺炎は増えてないですね。医療ひっ迫で増えたというなら、交通事故の患者を助けられなかったと、ところが交通事故は減っている。がんの患者を助けられなかったと、しかしがんは2.2%増程度。増えているのはいろんな疾患、心臓だとか、自殺とか、コロナの後の死亡者の死因報告とそっくり同じなんですね。

厚労省として鈴木センター長は、原因が少なくともワクチンが関係しているとは一言もそういう検討をしていないんですが、ただ、ちまたにそういう可能性がささやかれていることはもちろんご存じだと思うので、そういう意味で2,022年2月18日ワクチン副反応検討部会で鈴木感染症疫学センター長が、このスライドを使ってワクチン接種後死亡者増加の可能性について、実は言及してますね。

鈴木センター長が言うには、これがワクチン接種の増え方で、それに対してワクチン接種が増える以前よりも超過死亡が増えていると。

確かにそんな風にも見えますね。『一般に原因は結果に時間的に先行することが知られている。これをBradford Hillの因果判定基準における時間的関係性』と呼んでいるようですが、『一部の地域のサマリーだが、コロナ禍における超過死亡数の発生と、新型コロナワクチン接種の間の時系列的な関係は説明が難しい』と。さらに現時点において『ワクチン接種が超過死亡の原因になるという学術的な検証を経た科学的根拠は他の国からも報告はない』と、この2点を持ってまず、超過死亡に関して起きていることは確かだけど、ワクチン接種が関係しているということは明確に否定されています。

じゃあ何かということなんですが、やはり今までの主張を繰り返してコロナの患者が増えたのではないか、あるいは、医療がひっ迫したのではないかと繰り返しています。

もう1回、日本のワクチンを打った後の死亡報告の日数ですね、これを図にしてみましたが、ワクチンを打った当日にもう死亡例がでていると。翌日に一番死亡者が出ていて、そして翌日に、それからまた減ってくるというのが極めて特徴的かなと。ワクチンを打つとその当日から死亡例が出ているということですね。時間的に間隔があって、ある程度ワクチンが増えないと死亡者が増えるということではなくて、打ったら翌日から増えているようなんですね。これは一つ気をつけないといけない点かなと思います。

そういう意味でもう少し詳しく、この国立感染症研究所疫学センターの公開情報を検討してみました。これは真ん中の破線が予測される死亡者数で、大体この線に沿っていくんじゃないかなと。青い棒は実際観測された死亡者数なんですね。そうしてみると去年の1月末~4月12日までに関しては、観測死亡者数は予測死亡者数を下回っている。不思議なことに日本においては4月12日に高齢者ワクチンがここから開始したんですね。そうしたら翌週から観測死亡数が予測死亡数を超えるようになったと。

その後一貫して9月まで1週たりともこれを下回ることはないと。その前の実死は上回ることはなかったんですが、この4月12日を超えた翌週からはすべて上回ってしまっている。これをどのように説明したら良いかと、疑問に思ったことは確かです。

さらに、海外ではそのような報告は無いということですが、米国のVAERS,ワクチンの後の副反応報告が論文化されているんですが、アメリカにおけるコロナワクチンの死亡、コロナワクチンを打った後の死亡者、それを打った日から死亡するまでの日を並べてあるんですね。アメリカでコロナワクチンが始まったのは2,020年12月14日~半年の間に4,500例ほど、実はワクチンを打った後の死亡報告があると。日本の図と全くそっくりで、打った当時、その後翌日が一番多くて、そのあとまた減って、大体1週間から2週間くらいで、その後は平坦になる。全く同じようなグラフがある事を発見しました。

 

では、何が原因でアメリカではワクチンの後の死亡報告がということですが、ここに4,472例とありますが、やはり死因の多くは心血管系ですかね。とりわけ重要なのはautopsy:病理医が剖検をしたり、死因認証をちゃんとした808例に関して死因が何かということを検討しているんですが、半分がやはり心血管系だということですね。これも日本の報告とよく似ていると思います。

あと大事なのは、アメリカのワクチンの承認はあくまでも正式な承認ではなくて緊急承認なんですね。緊急承認となると、有害事象をすべて、医療従事者あるいは製造メーカーは報告する義務があるんですね。そういうことで実際報告がされているかどうかというのが気になっているようで、日本でもありますね。日本でもワクチンの新たな死亡例を厚労省はちゃんと把握しているかということなんですが、アメリカも全く同じような議論がされて、それでみると実際の報告というのは、ワクチンを打った後100万人当たり23.6人が実際の報告数なんですが、ところが同じ期間の死亡推定数が100万人当たり993人で2.3%。実際この4,400人というのは実際に亡くなった死亡報告のほんの2%しか報告されていないのではないか、という論文なんですね。

それで同じような議論が日本でもあることを考えて、接種した後の死亡報告に漏れがないかどうか、同じ手法で検討してみました。これが結論なんですが、当該期間に報告された数は死亡推定数の2.3%。ちょっとビックリしたんですが、アメリカと全く同じ数字が出てきたんですね。そうするとこの期間に1,000人ほど65才以上の高齢者がワクチン接種後の死亡として報告されていますので、足してみると、実は46,130人が実際は死亡している、という推定がされるんですね。

まとめなんですが、アメリカと同じような式で算出してみると、2,021年4月から9月における65歳以上高齢者のワクチン接種後死亡者数の推定値は46,130人

一方、日本の超過死亡は2,021年4月から9月までの半年間に65歳以上の占める超過死亡数は34,758人

この数字をどう考えるか、私が見て、何かよく似ている数字だなと。

ただ言えることは、これだけの数が皆ワクチンと因果関係があるとは思えないですね。偶発的に、ワクチンを打った1週間くらいで心筋梗塞、くも膜下出血で亡くなった人は当然あるかなとは思うんですけど、すべてが因果関係がないということは言い切れないかなと。

これは報告バイアスによるのではないかと研究者は説明します。報告バイアスとはワクチンを打った後、当日、翌日、翌々日に亡くなれば、医療従事者も家族も、これは関係あるんじゃないかということで報告すると、ところが1週間も経ったら、これは関係ないんじゃない、という形で報告しなくなる。それが報告バイアスでこういうパタンになるのではないか。

これに関して鈴村先生が、非常に面白い考え方をもっています。A群は50歳未満で1回目接種グループ、B群は50歳未満2回目接種グループ、C群は50歳以上1回目接種グループ、D群は50歳以上2回目接種グループ。一目して分ることは、A群のパタンはBCDの様な集積が見られない、というのはA群に関して少なくとも起きていることはワクチンとは分らない偶発事項ではないかな、ということはどういうことかというと、A群においては報告バイアスが働いていないということですね。

A群のグラフは次のことを示唆している。A群では偶発的な死亡が多い。A群では報告バイアスのかかり方は、接種後9日以内では軽度である。偶発的死亡が多く、かつ報告バイアスが軽度でなければA群のようなグラフにはならない。A群のグラフにより、実際には接種後9日以内であれば、報告バイアスは軽度である可能性が高いことが示された。従ってB群、C群、D群では接種後9日以内であれば、死亡とワクチン接種には因果関係がある可能性が高いと考えられる。

最後に子どものワクチンについてということですので、熱や副反応が色々いわれていますが、一番考えないといけないのは、ワクチンを接種してもしその子供が亡くなってしまったら、こんな悲しいこんな酷いことはないんじゃないかと思いますね。そうしてみると今まで日本において10歳代でワクチン接種後の死亡は6人いるんですね。因果関係が無いということにされていますが、もう少し丁寧に、本当に因果関係が無いということが言い切れるのか、どういう状況で亡くなったのか、同じような患者さんはいないのか、そういったことの説明が、今後5~11歳の接種を進めようという限りにおいては、丁寧な説明が必要ではないかと思います。

 

 

 

 

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