国内でマイナンバーの返納運動が始まっているようで、それを伝える記事の数が増えています。マイナンバーを安全に使いたければマイナンバーだけにしておくこと。紐づけけをすればするほどトラブルは増えて、情報漏洩が起こりやすくなります。銀行口座情報が人に見られることは嫌ですよね。
広島県内で本年度、マイナンバーカードの自主返納が少なくとも17市町で193件あったことが26日、各市町への取材で分かった。トラブルが全国で相次いだ5月以降、返納が増える傾向にあり「制度が信頼できない」などの理由が目立つ。
マイナンバーカードで最も怖いのは個人情報漏洩 何か起きても「デジタル庁は責任を負わない」と規約に明記
「マイナ保険証を使わない人への嫌がらせ」 マイナ推進なら「保険証廃止」で医療情報の「誤ひもづけ」問題も
有難うございます。エリザベスさん、及川さん pic.twitter.com/290jpB0AvS
— 🌝着弾するまで叫ぼうかなと🌝 (@akachannn2021) June 22, 2023
政府ゴリ押しの「マイナカード」返納するにはどうする? 今あるトラブル・疑問の解決法を徹底解説
マイナカードは返納できるのか(C)共同通信社
共同通信社の世論調査では、現行保険証を来秋に廃止しマイナンバーカードに一本化する政府方針について、延期・撤回すべきが7割を超えた。それでも政府はマイナカードのゴリ押しをやめない。そこでマイナカードの「返納」も含め、今あるトラブルの解決法を聞いてみた。 堤未果氏に聞く 世界の常識と逆行する「マイナンバーカードが危ない」理由とデタラメの必然 ◇ ◇ ◇
■マイナカードの返納方法を教えてください 「マイナンバーカードはいつでも返納いただくことができます。返納いただく際は、『個人番号カード返納届』(名前や住所、返納理由を記入=窓口やホームページでもダウンロードできる)を併せてご提出いただきます。そんなに多くはございませんが、すでに若干、返納された方もございます」 こう話すのは愛知県春日井市の戸籍住民課の担当者。
本人確認書類(運転免許証、運転経歴証明書、パスポートなど)を持参の上、市役所戸籍住民課のマイナンバー専用窓口に足を運ぶだけ。春日井市のケースでは、坂下出張所や味美ふれあいセンターでも返納を受け付けている。 自治体によって事前に連絡が必要なところもあるが、おおむね春日井市の手続きと同様の流れ。
なお、高齢の両親などの代理で手続きする際は、代理人本人(息子や娘)の確認書類のほか、委任状が必要となる。 ■返納した後に再交付はできますか? 「はい、できます。ただし、1000円の再交付手数料(電子証明書が不要の場合は800円)がかかります。1000円は国が決めた一律料金となっています」(前出の春日井市の担当者)
マイナカードは18歳以上は発行日から10回目の誕生日、18歳未満は5回目の誕生日で期限を迎えるが、更新時の再交付は「無料」となっている。 ちなみに、電子証明書とは、マイナポータルへのログイン、コンビニでの住民票の写しの交付などに使うもの。数字4桁の暗証番号を用いる。 ■カードを紛失してしまったらどうする? 「カードを紛失、焼失、廃棄した場合は有料(1000円)で再交付します。
その際は、遺失届を出した警察署または交番で発行してもらう『遺失届の控え』、消防署または区役所で発行している『罹災証明書』が必要です。ただし、ご自宅のどこかでなくされたという方は、その経緯を別途記入するだけでも構いません」(東京都千代田区総合窓口課の担当者) ■ではカードを紛失したかも…の場合は? 「カードの利用を一時停止します。
ただし、区役所では受け付けておらず、デジタル庁のフリーダイヤルに電話してください。後からカードが見つかった場合は、一時停止解除を行うことで再び利用が可能になります。こちらの解除は区役所に電話、または窓口で行います」(前出の千代田区担当者) 少しややこしいが、一時停止はデジタル庁、解除は地元自治体で行うというわけだ。一時停止の申請は「マイナンバー総合フリーダイヤル」で24時間365日受け付けている。
死亡時のマイナカードの返納義務はない
自治体が設置したマイナンバーカード申請の「出張窓口」/(C)共同通信社
■家族が死亡したらカードを返納する? 「お亡くなりになられた方のマイナカードの返納義務はございません。死亡された方のマイナンバーカード、通知カード、住民基本台帳カードの返却は必要ありません。ただ、相続などの手続きにおいて、死亡された方のマイナンバーが必要になることがありますので、諸手続きが終わるまでは保管し、不要になった段階で破棄してください」(神奈川県川崎市区民課の担当者)
返却が必要な障害者手帳などとは違い、破棄しても構わない。 ■引っ越しをした時は再交付が必要になる? 「引っ越し時は、住民票を移す手続きだけでマイナンバーの住所変更も済ませることができます。また、同じ市区町村内の引っ越しを『転居』といいますが、この場合もカードの下の追記欄に新住所を書き込むだけ。いずれにせよ、再交付の必要はありません」(前出の千代田区担当者) 氏名が変わった場合も追記欄に記入するだけでいい。ただし、追記欄がいっぱいになって書くところがなくなってしまったら再交付するしかない。
職員全員が番号を覚えているわけではない
(C)日刊ゲンダイ
■マイナンバーの数字は覚えていたほうがいい 「災害時、12桁のマイナンバーを覚えていれば避難者の正しい安否情報が得られる可能性があります。覚えていなくても支援は受けられますが、例えば災害給付金や個人特定などの場面でよりスムーズな支援が可能になるとの想定です」(千葉県市川市市民課の担当者) 単純に死者や負傷者の確認だけではないようだ。
ちなみに、職員でも全員が番号を覚えているわけではないそうだ。 ■健康保険証が変わった際の手続きは? 「健康保険証の利用登録が完了している場合は、転職や退職などの変更に伴う再度の登録は必要ありません。ただし、健康保険組合などへの加入の届け出は必要です」(マイナポータル) 会社員から自営業になって国民健康保険に変更した場合、住所のある自治体に加入届を提出すれば、その時点で自治体が変更手続きをしてくれるというわけだ。
■健康保険証として使用するメリットは? 「転職や結婚で新しい健康保険証の発行を待たずに医療機関、薬局を利用できます。特定健診や薬剤情報をマイナポータルで閲覧できます」(厚生労働省) 高額療養費制度の「限度額適用認定証」を事前申請する手間もなくなる。ただし、現時点では「患者の同意」が必要とはいえ、医療関係者に診療や健診の情報が提供される。
■マイナカードは必ず申請するものですか? 「マイナンバーカードの申請は任意です。必ず申請する必要はありませんが、運転免許証やパスポートなどの本人確認書類がない人は申請した方が便利です」(東京都北区戸籍住民課) マイナカードはなければないで済むもの。せめて来秋の健康保険証廃止だけはやめてほしい。
運転免許証で本人確認できなくなる!? 加速する「マイナンバーカード一体化」に「ふざけるな!」「ヤバすぎる」と怒りの声
運転免許証で本人確認できなくなる!?
2023年6月6日、政府は「第4回デジタル社会推進会議」を実施し、銀行口座開設や携帯電話の契約などにおいての本人確認を、マイナンバーカード(以下、マイナカード)に一本化する方針を明らかにしました。 【画像】ピンクの免許証だとッ!? 激レアな免許証を見る(20枚) では今後の本人確認の仕方はどのように変化していくのでしょうか。
運転免許証で本人確認できなくなっちゃう?(画像はイメージ)
運転免許証とマイナカードの一体化について、2022年3月に道路交通法の改正案が閣議決定され、政府は「2024年度末までの少しでも早い時期に一体化の運用を開始する」と説明しています。 具体的には、運転免許証の交付年月日、有効期間、免許の種別、免許番号などがマイナカードのICチップ内に搭載することで、両カード情報の管理を統合。
その後はマイナカード1枚で、運転免許証の役割を兼ねた仕組みとなります。 また健康保険証についても2024年秋に廃止、マイナカードとの一体化に向けて整備が進められているなど、さまざまな公的証明書がマイナカードへと集約する動きとなっています。 そんななか、6日に実施された会議内の「デジタル社会の実現に向けた重点計画案」では、運転免許証での本人確認が廃止される方針が明らかとなりました。
具体的には、犯罪による収益の移転防止に関する法律、携帯電話不正利用防止法に基づく非対面の本人確認手法は、マイナンバーカードの公的個人認証に原則として一本化。つまり、銀行口座の開設や携帯電話の契約などではマイナカードを用いて本人確認することとなるのです。 運転免許証などを送信する方法や、顔写真のない本人確認書類などは廃止すると明記しています。
また対面の場合であっても公的個人認証による本人確認を進めるなどし、本人確認書類のコピーは取らないこととする、と記されています。 これについて、SNSでは「何これ、ふざけるな!」「ヤバすぎる」「なんだこの話」「任意のはずじゃないの?」「免許証ダメとはいかに?」など多くの怒りの声が見られます。
また「運転免許証すら使えないとマイナンバーカードを万が一紛失したらどうなるの!?」など、紛失時についても疑問点をあげるユーザーの声もあるほか、事態の展開についていけていないといったユーザーの様子がうかがえます。 ※ ※ ※
さらに、2026年中を目処に新たなマイナンバーカードの導入を目指すほか、スマートフォンに運転免許証を搭載する「モバイル運転免許証」について、マイナンバーカードと運転免許証の一体化の運用開始後に極力早期に実現を予定しているとのこと。 今後、マイナカード一体化にはどのような変化が見られるのでしょうか。引き続きマイナカードの用途拡大に関して、政府の動向が注視されます。
青田 海
マイナンバーカード 情報漏洩が不安なら「口座連携」は解除可能、自分で拒否の意思表示を
マイナンバーカードの情報漏洩リスクにどう対処する?(イメージ)
「最大2万円分のポイントを付与」など、これまで国を挙げて大キャンペーンを行い、政府が事実上の義務化を目指すマイナンバーカードだが、ここに来てトラブルが多発し、大きな問題となっている。 【図解】マイナンバーカード「口座連携」解除の3ステップ
公金受取口座がまったくの別人の名前で誤登録されていたケースが748件あり、本人ではない家族名義の口座の誤登録は13万件もあった。さらにマイナポータル(政府が運営するオンラインサービス)で他人の年金記録が閲覧できる問題も明らかになった。 国は、金融機関の口座情報もマイナンバーカードにひもづけるよう推奨している。
各種給付金など、公金受取の手続きがスムーズになると強調するが、そもそも、コロナ禍も終息しつつある中、今後あのような給付金があるかは不透明だ。出るかどうかもわからない給付金のためだけに情報漏えいのリスクを取り、自分の口座情報が国に筒抜けになるのを受け入れられるだろうか。なかにはマイナカードの返納を考えている人もいるようだ。
マイナカードと健康保険証をひもづけた場合、解除することはできないが、口座のひもづけは簡単に解除することができる。マイナポータルサイトにアクセスし「口座情報を削除する」を選択するだけでいい。ひもづけているのが口座だけなら、登録を解除してから、マイナンバーカードそのものを返納できる。経済ジャーナリストの荻原博子さんはこう話す。
「もしすでにマイナ保険証を登録していても、せめて口座情報の流出だけは抑えるために、ひもづけの解除は有用です。また現在、Androidスマホはマイナンバーカードの搭載機能がついているので、カードではなくスマホにマイナ保険証を入れれば、生体認証やパスコードロックなどスマホ自体が持つセキュリティーによって、ハッキングなどのリスクはわずかながら下げることができます」
マイナ保険証で「無保険状態」のリスク
6月2日には、現行の健康保険証を2024年秋に原則廃止することを盛り込んだ法案が、国会で成立した。「マイナ保険証」への移行が実質的に義務化され、現行の保険証は「実質廃止」となる。もはや、マイナカードを持たない手はないのか……と不安になるが、まだ手はある。 政府は2024年秋以降はマイナ保険証を持たない人でも保険適用が受けられるよう「資格確認書」の発行を決定。
有効期限は1年だが、更新することも可能で、これがあればマイナ保険証を持つ必要はなく、被保険者の資格を失うことはない。だが、これで一安心とはいかない。すでに4月から、従来の保険証を使った受診は、マイナ保険証よりも受診料が40円(自己負担額12円)高くなっている。 「もし資格確認書を申請できなかったり、遅れたりすれば“保険料を納めているのに無保険”になる事態も大いにありえます」(荻原さん・以下同)
国はマイナ保険証の導入について、過去の処方薬や特定健診などの履歴が受診先の医療機関で直ちに共有されることなどを挙げ「医療の質が上がる」としているが、現時点で、その実感はまったくない。 政府は国民を「無保険」のリスクにさらしてまで導入を促しているが、運用を始めた医療機関はわずか7割にとどまり、さらにその医療機関の4割で不具合などが発生。
「無保険者」が増えるリスクやこうしたトラブルなどから、6月2日、全国保険医団体連合会が抗議声明を出すなど、足並みは揃っていない。 加えて6月6日、デジタル庁は2026年に「新マイナンバーカード」を交付する計画を発表した。いま、私たちが肝に銘じておくべきなのは、政府の発表に惑わされず、正しい情報を得て行動することだ。 「口座や保険証のひもづけは“拒否”しなければ半ば自動的に手続きがなされてしまいます。
資格確認書も、自ら申請する必要がある。役所や年金機構などの公的機関からの書類でも“拒否の意思表示をしない限り同意したものとする”という通知があり、知らない間に情報がひもづけられていた、ということも充分考えられます。公的機関からの書類は絶対に放置せず、必ず目を通すようにしてください」 不安な人は、少しでも自衛しておきたい。 ※女性セブン2023年6月29日号