日本腎臓学会から深刻な報告です。ワクチン接種後にネフローゼ症候群に罹る人が増えているようです。
腎不全となって人工透析に移行した場合の生存率は、1年経過で約88%、5年経過で約60%、10年経過で約35%だということです。一般的に人工透析治療を行うと、余命(寿命)が短くなると言われています。
2) 2 回目接種後の出現が 67%で、1 週間以上の持続が 74%でした。
3) 原疾患は微小変化型ネフローゼ症候群が最も多かったものの、膜性腎症、IgA 腎症でもみられました。
「COVID-19ワクチン接種とネフローゼ症候群新規発症・再発の関連性に関する調査研究」アンケート調査結果のご報告
評議員581名(内科・腎臓内科339名、382施設)の先生にアンケートをお送りし、55施設(14%)より回答(2021年9月30日現在)いただき、新規発症6例、再発21例を確認しました。結果詳細は下記資料にまとめております。
陽性者は、85%ファイザーのRNAワクチン接種者で、年齢は60歳以上が48%を占めましたが、全年齢層に認めており、性別では男性が56%、女性が44%でした。2回目接種後の出現が67%で、1週間以上の持続が74%でした。原疾患は微小変化型ネフローゼ症候群が最も多かったものの、膜性腎症、IgA腎症でもみられました。
また、ネフローゼ症候群の既往がない方にも、ワクチン接種後にネフローゼ症候群を新規に発症する可能性があり、ご留意頂けましたら幸いです。
COVID-19ワクチンとネフローゼ症候群 新規発症・再発の関連性に関する調査 ~アンケート結果まとめ~
ネフローゼ症候群とは
腎臓の糸球体という場所の異常によって、尿中に大量のタンパク質が出ていってしまう病気です。さまざまな症状が現れます。通常、健康な人では1日あたり40mgから120mgのタンパク質が尿から出ていますが、ネフローゼ症候群の人は3500mg以上のタンパク質が尿から出ていきます。体のむくみや倦怠感、息苦しさなどがネフローゼ症候群の症状です。
ネフローゼ症候群はさまざまな腎臓の病気が原因になり、一次性ネフローゼ症候群と二次性ネフローゼ症候群の2つに分けられます。それぞれの原因となる病気については以下の「ネフローゼ症候群について」を参考にしてください。尿検査や血液検査、画像検査(超音波検査、CT検査など)、腎生検(腎臓に針を指して一部を取り出す検査)などを用いて診断が行なわれます。
原因に合わせて治療法が選ばれますが、ステロイド薬や食事療法などが中心になります。健診や偶然受けた検査でタンパク尿が出ていると指摘された場合にはネフローゼ症候群の可能性があります。内科や腎臓内科を受診して詳しく調べてもらってください。
- 尿中に大量のタンパク質が流れ出て、血液中のタンパク質が減少し、それにともなう様々な症状が現れる病気
- 腎臓の糸球体(血液をろ過するところ)に障害が起こる
- 一次性と二次性に分けられる(詳細はそれぞれの疾患を参照)
- 一次性ネフローゼ症候群の原因:腎臓(糸球体)に起こる病気
- 二次性ネフローゼ症候群の原因:全身に影響する病気や薬剤
ネフローゼ症候群の症状