交通事故防止

運転中のゆるみを理解するには

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緊張ー弛緩の関係 人も動物も例外なく、緊張と弛緩(ゆるみ)を繰り返しています。精神活動が高まり身体が活発に活動している時もあれば、のんびり、まったりして眠くなる時もあります。

うちの『しんたろうくん』は、散歩に出る時は準備をしているだけで興奮しまくりで走り回っています。『早く行こう!』とばかりにあっちへ走り、こっちへ走りで、筆者がガスの元栓を閉めに台所へ行くと、後ろから思い切りアタックされます。外へ出て歩き始めると、いきなり前に走り出して引っ張られます。今度はリードを持ったままの筆者の周りを回り始め、強い力で何度も引っ張られるので、こちらの手が痛くなってしまいます。とにかく走りたいんですね。

散歩から帰ると、水を飲んだり、呼吸がハアハアしていますが、しばらくすると、横になって眠ってしまいます。普段、部屋にいる時は横になったり、のんびり、ゆったり状態ですが、来客があったり、筆者と遊んでいる時には活発になるんですね。

 

人間の精神活動も同じように、緊張と弛緩を繰り返しています。精神活動が活発になったり、しばらくすると緊張が緩んできて眠くなります。

これを上手く日常の仕事の中で利用することが出来れば良いのですが、なかなか思うようには行きません。

今ひとつ、仕事に実が入らなかったり、やる気が起きない、ボーッとしている、眠気をこらえて何とかやる、等のことは業種を問わず誰にでもあると思います。

では、どうすれば良いのでしょうか?

実際に、このゆるみが元になって起きた交通事故は多いのです。

居眠り運転もそうですが

運転するコンディションでない:寝起きでハンドル操作がまともに出来ない:遅刻しそうだと車を発進させたがぶつかりそうになる

ボーッとしたまま運転している:ここで曲がるはずなのに行き過ぎてしまう、高速入り口を通り過ぎてしまう

目の前で起きている状況に対応が遅れる:前車の急ブレーキに対応できない、危険な車を避けられない

覚低(かくてい):意識(覚醒)水準が下がってしまい、目では捉えているのに反応できない

 

これらのものは、体調管理をしっかりしておけば防げるものだ、と言う人たちが多いのですが、実はそうでもないのです。

人間は緊張ー弛緩の繰り返しからは逃れられません。

航空機パイロットや管制官のインシデント、電車が停車駅を通過してしまう、路線バスが停留所に止まらなかった、等も同様です。

 

では、どうしたら良いのでしょうか?

今回は実話の事例を用意しました。自分ならどうする、を考えてみて下さい。

 

Cさんは3トン車で1日2回戦の仕事をしていました。1回戦は19時からコンビニのチルド配送をして0時半頃帰社し、これから2回戦です。まずは別のコンビニチェーンにお弁当類を20件ほど配達します。バン重に1~2ケースのものを売り場の前に置いて、外の物置から空ケースを回収してくるだけですから、1件あたり2~3分で車に戻ってこれます。冬の寒い時期だったのですが、これで身体も温まり(運動会のような)良いペースでコンビニ配送を終え、これから高速に乗って50分位走り臨海の物流センターまで行きます。

ここで高速に乗ってから急に眠気に襲われました。外は真冬ですからヒーターを使わなければ寒くてなりません。しかし高速道路の運転は単調です。時間は夜明け前の4時半頃。周りを走る車もまばらです。

Cさんは眠気を我慢して運転していましたが、ウツラウツラとし始め、気がつくと目の前に車が、・・・・ハッとして、急ブレーキで難を逃れました。

こんなことを何度も経験したと言っています。他の仕事でこれほど危険な目に遭ったことはなく、居眠り運転など初めてのことだ、と言います。

 

筆者の方から解答は用意していません。安全に物流センターまで辿り着くことが正解です。

あなたならどうするか? この事例を考えてみて下さい。

 

事例を元に参加者が皆でディスカッションをする、自分の経験ではこうだった、むしろ○○で○○しておくべきとか、色々な意見を出し合うことで運転に対する理解が深まって行きます。

緊張ー弛緩に対してどう対処するかは、個々人の置かれたコンディションによっても変わってきます。必要なのはこれを自分の問題として、何処まで捉えられるか、ということです。

自分とは関係のない話をいくら聞いていても、身にはつかないと思います。

 

追記:少し誤解があるようですので解説します。

ファシリテーターの役割が出来る人が必要です。ファシリテーターとは話し合いや検討を促進する人のことで、メンバーに意見を出してもらうよう働きかける人です。5~6人位の小グループに分かれて『自分の体験を話してもらって、あんなことがあった、こんなこともあった、こんな時にどうしているの?』と聞きながら、出てきた体験を皆で共有していくのです。体験から出てきたものは、自然に耳を傾けて聞いてくれるはずです。上からの指示で、やっておきなさい、では効果が出ません。

 

 

 

 

 

 

 

 

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