新型コロナウイルス

小島勢二先生:T細胞攻撃による自己免疫疾患

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少なくとも4年前には花粉症、アレルギーに悩まされ、1年中アレグラが必需品でした。しかし、身体の具合が悪くなって小麦と油(を使った製品)を断ったところ、花粉症にもならずアレルギーも大丈夫になりました。ずっと外にいると目が痒くなることはありますが、顔を洗うときに目を少し洗う程度でスッキリして、薬は不要ですね。

この間の違いは食べるものが変わったくらいだと思いますが、アレルギー対策のサイトには全然違うことが書いてありますね。改善と予防にはヨーグルト、レンコン、エゴマ油、トマトなのだそうです。私から見ると乳製品はカゼインを含んでいるため良くないようです。対策として何かを摂取するよりは減らすことの方が大事であると思います。スギ花粉、子供の発症率は成人の6・7倍 – 産経ニュース (sankei.com)

花粉症、3日間●●するだけで治った!●●をやめるだけで症状が消えることも! (biz-journal.jp)

mRNAワクチン接種後に見られる自己免疫疾患の増加:新規発症機序の可能性

小島 勢二 名古屋大学名誉教授

ファイザーやモデルナ製のコロナワクチンは、人類初のmRNAワクチンということでその安全性が懸念されるが、mRNAは短期間で分解されるので安全性についての問題はないと説明されている。最近、この説明に疑問を投げかける研究結果が報告されている。

デンマークからは、ワクチン由来のmRNAが、接種後最長28日間血液中に存在することが報告された。次世代シーケンサーを用いてRNAシーケンスを行うとmRNAの配列情報を網羅的に読み取ることができる。ヒトのRNAばかりでなく、ウイルスやワクチン由来の遺伝子配列情報をも読み取ることが可能である。

検討した108人のうち、10人の血中からワクチン由来の全長あるいは部分的な遺伝子配列が検出された。ワクチンが接種されると、10人に1人はワクチンが分解されずに一定期間血中を循環することが判明した。

この結果は、ワクチン由来のmRNAが注射された筋肉のみでなく全身の臓器に運搬されることを意味する。実際、ファイザー 社の薬事申請資料 には、マウスの筋肉に注射すると、注射された筋肉部位の他に、肝臓、脾臓、副腎、卵巣からもワクチン由来のmRNAが検出されたことが記載されている。各臓器の細胞に取り込まれたmRNAはリボゾームでスパイクタンパクを産生し、産生されたスパイクタンパクは細胞の表面に運ばれて、抗体やT細胞に認識される(図1)。

図1 mRNAワクチンの仕組み
筆者作図

細胞表面に分布するスパイクタンパクは、免疫染色によってその存在を病理組織学的に示すことができる。図2はワクチン接種後に死亡した患者の病理組織像であるが、茶色の部分がスパイクタンパクの存在部位である。筋肉、脳、心筋、冠動脈細胞の一部がスパイクタンパクを産生している。

図2 抗スパイクタンパク抗体による免疫染色
Arne Burkhart博士撮影

ヒトの免疫系は、元来、細菌やウイルスなどの異物から自分の体を守る働きがあるが、時に免疫系が正常に働かずに自分の組織を異物と見做して攻撃することで自己免疫疾患を発症する。種々の自己免疫疾患があるが、膠原病のように全身臓器の症状が見られるものと、慢性甲状腺炎のように特定の臓器のみの症状が見られる病気とがある。すでに、コロナワクチン接種後に多数の自己免疫疾患が報告されている。

コロナワクチン接種後に見られる自己免疫疾患の発症メカニズムとしてスパイクタンパクに対する抗体がヒト組織抗原と交差反応することが考えられている。すでに、コロナワクチンの接種が開始される以前に発表された論文に、抗スパイクタンパク抗体は、検討した55種類のヒト組織抗原のうち25抗原と交差反応することが示されている。

この結果から、ワクチンの接種で産生された抗スパイクタンパク抗体が、交差反応を示すヒト臓器を攻撃して自己免疫疾患を引き起こす可能性が危惧されていた。

コロナワクチンに限らずワクチン接種後に発症する自己免疫疾患は、ヒト組織抗原と交差反応する抗体によって発症すると考えられてきた。ところが、mRNAワクチンでは、肝臓、脾臓、脳、心臓などの様々な臓器を構成する細胞の表面にスパイクタンパクが表出される。

コロナワクチンが投与されると、免疫を担当するB細胞からはスパイクタンパクを認識する抗体が産生される。同時に、表面にスパイクタンパクが存在する細胞を攻撃する細胞傷害性T細胞も誘導される。このような抗体依存性あるいはT細胞依存性自己攻撃によって自己免疫疾患が発症する危険性がある(図3)。

図3 mRNAワクチン関連自己免疫疾患について考えられる発症機序
筆者作図

実際、スパイクタンパクを認識するT細胞によって自己免疫性肝炎が発症したことが報告されている(図4)。蛍光標識したMHCテトラマーを用いたフローサイトメトリーによって、スパイクタンパク特異的細胞傷害性T細胞を検出することが可能である。

この研究の対象となった患者では1回目のコロナワクチン接種後に肝炎を発症したが、改善が見られたので、2回目のワクチンを接種したところ再度肝機能が悪化した。ワクチンの接種が肝炎の発症に関与していることは臨床経過から強く疑われる。テトラマーを用いて、この患者の末梢血と肝臓組織中のスパイクタンパク特異的細胞傷害性T細胞が検出されたことから、スパイクタンパクを認識する自己のT細胞による攻撃で肝炎が発症したと考えられた。

図4 末梢血、肝臓組織からのスパイクタンパク特異的細胞傷害性T細胞の検出
J Hepatol.2022 Sep;77(3):653-659

コロナワクチンの接種後には、主に、筋肉、肝臓、リンパ節、副腎、卵巣にmRNAが蓄積する。図2にあるように抗スパイクタンパク抗体に染まる細胞は心筋にも存在する。

3月10日に公表されたコロナワクチン接種後の副反応リストによれば、これらの臓器に原因不明の炎症や機能不全が多数起きていることが報告されている(表1)。 テトラマーを用いて、これらの副反応にスパイクタンパクを標的にした細胞傷害性T細胞が関与しているかを検討することは重要と思われる。

表1 mRNAワクチン接種後に見られた副反応の報告数
2023年3月10日開催第92回厚生科学審議会配布資料

mRNAワクチン技術は、コロナウイルスのみならず、今後、インフルエンザを初め他の病原体に対するワクチン更にはがん領域への適用も考えられている。上記のメカニズムによる自己免疫疾患の発症は、コロナワクチンに限らず、mRNA技術を用いたすべてのワクチンに起こりうることである。その意味でも、コロナワクチン接種後の副反応に対するテトラマーによるスパイクタンパク特異的細胞傷害性T細胞の検討は是非始めるべきであろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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