新型コロナウイルス

ブースター接種:抗体が上がったと喜ぶのはまだ早い

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抗体価が上がったと喜んでいる関係者がいます。ワクチンの目的はウイルスと戦ってくれる抗体価を上げることだ、という言い方を聞きます。

しかしその抗体はオミクロンと戦って排除してくれるものなのでしょうか。ここに大きな間違いがあると同時に、何でも上げれば良いのかという疑問が出てきます。

もしその抗体が身体の他のところを攻撃するようになった場合、重症化して死亡する可能性も考えなければなりません。

日本人からADE:抗体依存性感染増強を起こす抗体が見つかったとの報告もあります。

抗体価は接種後に一旦上がりますが、6ヶ月経過時点で約90%減少しています。

 ・ほとんどのワクチン接種者において、ピーク時(接種1〜3週後)と比べ、抗体価は顕著に(約90%)減少し、ウイルスの感染阻害能を示す中和抗体価*3も約80%減少し、その陽性率は85.7%でした。

したがって、ワクチン接種により抗体価を上げたところで、新型コロナウイルス感染から逃れられるとは限らないということです。

<こびないナビ>勤務医が誰にも媚びずに本音で語るCOVID19 #3-1 既感染者のワクチン接種は必要か?

勤務医団の本音

 

 

厚労省のHPを検証する

自然感染により獲得する免疫は、ワクチン誘導免疫より優れている、という論文は数多く投稿されています(別投稿で紹介します)。

しかし、こびナビ、厚労省は既感染者にワクチンを推奨しています。
その根拠を検証してみましょう。

FAQ – こびナビ (covnavi.jp)

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厚労省 
https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0028.html

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上記は令和4年2月9日の分科会資料を引用しています。

いまだ、こびナビも厚労省も「抗体価が高くなること」で推奨しています。

ここで、mRNAワクチンで作った抗体は、「短期間で減少する」という理解は必須になります。

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0264410X22003693?via%3Dihub
https://www.nejm.org/doi/pdf/10.1056/NEJMoa2114583?articleTools=true
https://www.fujita-hu.ac.jp/news/j93sdv000000b3zd.html

また、「多様な変異に対する抗体の産生も報告されている」と記載されていますが、しばしば研究者達が指摘するのは、その実験で確認された中和抗体が、実際に暴露したウイルスに対して有効かどうかまでは調べていない、ということです。

さて、国内ではどのような現象が起きているでしょうか?

多くの人がmRNAワクチンを2回接種し、抗体価を高くしたわけですが、結局

・感染は収束しない

・数多くの接種者が罹患している

という事態が起きています。抗体を高くすればいいという、単純なことではありません。

厚労省が引用した文献を確認してみましょう。

※1ワクチン接種者のT細胞応答は優れており、中和抗体価は既感染者より高かったという論文

43日間しか調べていません。
著者自身が、論文のlimitationとして、「ワクチン誘導免疫は時間と共に減弱するため、持続性を調査することが重要である」と述べています。

Further, as vaccine-induced immunity can wane over time, it is important to study the persistence of potentially protective immune responses. 

※2 ワクチン接種者の中和抗体価が119日後も保たれていたという論文(こびナビの引用文献3)に同じ)

※1の論文もそうですが、たとえ既感染者がワクチン接種によって中和抗体価を上げたとしても、

・短期間である
・将来曝露する変異体に有効かどうかは保証できない
という問題があります。

こびナビの引用文献2)は、接種者の抗体は既感染者の3.3倍になったという論文ですが、85日間しか調査されていません。

※4 ワクチン接種のみ群(A~D)と既感染のみ群(E~G)を比較し、既感染後ワクチンorワクチン後既感染(H)の群は、オミクロン株を中和できた、という論文。

しかし、H群はn=10と小人数の調査であり、中和効果がどれ位持続したかの記載はありません。

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既感染後ワクチンを接種した人達の抗体は、オミクロン株を中和できたわけですが、有効期間は不明であり、今後も変異する株への有効性は未知です。

厚労省のHPに戻ります。「感染後のワクチン接種が、その後の感染に対する防御をさらに高める」とあります。引用元であるCDCのサイトには、その根拠となった研究はいずれも、デルタ以前の報告と記載されています。
https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/science/science-briefs/vaccine-induced-immunity.html

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さらには、α株流行時には2回接種が最も防御効果を示したが、デルタ株流行時には、2回接種も自然感染も防御効果は変わらないと記載されています。

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このCDCのサイトのconclusionでは、既感染者の接種を強く推奨しているわけではありません。自然感染、ワクチンのいずれも6か月は有効としています。

既感染者の接種が、より免疫を強化するとした論文を提示していますが、前述した通り、持続性という点で保証はありません。また、CDC自体が、どれくらいの抗体価があれば防御効果があるのかは分かっていない、と記述しています。

つまり抗体価が上昇すれば防御できる、という単純な話ではないのです。 

ウイルスの変異と共にワクチンの有効性が減弱していることは、国内のブレークスルー感染が増加し続けている実態を見ても明らかです。

デルタ以前のデータを引用し、有効期間は限定的であることに言及せず、抗体価が上がるから推奨する、という論理は短絡的ではないでしょうか。

(#3-2に続く)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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