反グローバリズム

マイナンバーなんかやっているのは日本だけだった

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返納したら後で面倒なことになるのは自分だ。マイナンバーは全国民に強制的に義務づけられている行政のための番号で、マイナンバーカードとは別のもの。なりすましや貸し借り、不正利用を防ぐためのもの。色々言われてきましたが、それは目先のことに捕らわれて、この先に何があるのかを見通すことが出来ない人が言うことだと思います。

マイナンバーカードがないと確定申告できない=番号があれば出来ます(番号を控えておく)。そもそも任意で取得しているものに強制的な要素はありません。多少不便なことがあっても、このカードは返納した方が良いと私は思っています。国民の側には大したメリットはありません。コンビニで各種行政文書が発行できるといいますが、よほどの僻地でもない限り市役所、区役所は近所にあると思います

私のところからコンビニは車で5分ですが、区役所は10分の距離。この程度なら別に区役所で良いと思います。でも、どうして政府はマイナンバーを取得させたいのでしょうか。保険証紐付けから始まって、次は銀行口座番号紐付けです。でも、これで終りではありません。後から次々に紐付けが増えていきます。そしてその先にあるのが、全国民を番号で管理できるシステムです。報償とペナルティを使って何でも言うことを聞かせることが出来ます。

今、日本が結ぼうとしているWHOのパンデミック条約では、世界の何処かで感染症が流行しているとしてWHOが緊急事態だと宣言したら、日本は緊急事態宣言を発動して国民に行動制限を課し、ワクチンの強制接種が出来てしまいます。その時に接種した者にはポイント付与し、接種しない者にはペナルティとして銀行口座凍結とエリア外での買い物が出来なくなる、などのことはいとも簡単にできてしまします。

マイナンバーカードは国民を政府の思いのまま、何でも従わせることが出来る便利なツールなのですね。この先に何があるのか、というのはこういうことです。そして、日本のマイナンバーを含むデジタルIDスキームは、世界中で受け入れられているわけでもありません。懐かしの古館さんも吠えています。

「マイナンバーカード+保険証」一体化はG7で日本だけ なぜ独自路線?各国の現状と比べてみた

 日本はデジタル後進国だからと政府が進めているマイナンバーカード普及策。だが、マイナンバーカードのような国民ID(身分証明書)と、健康保険証を一体化させている国は、先進7カ国(G7)では日本だけということが分かった。そもそもマイナンバーのような国民共通番号制度を否定する国もあれば、個人の自由を重んじ制度導入後に政権交代でカードが廃止された国もある。なぜ日本は強引に独自路線を歩もうとしているのか。(中山岳、山田祐一郎)

◆「他の国はやっていないということでよろしいか」

 

衆院特別委の閉会中審査に臨む(前列左から)松本総務相、加藤厚労相、河野デジタル相

衆院特別委の閉会中審査に臨む(前列左から)松本総務相、加藤厚労相、河野デジタル相© 東京新聞 提供

 「てっきり(G7の)他の国もみんなやってて、日本も遅れないようにやっていると思った。他の国はやっていないということでよろしいか」。5日にあった衆院特別委員会の閉会中審査。長妻昭氏(立憲民主)はマイナ保険証について、こう政府をただした。

 加藤勝信・厚生労働相は「G7では、異なる行政分野に共通する個人番号制度を有した上で、個人番号を確認できるICチップ付きの身分証明書となるカードを健康保険証として利用できる国は、わが国以外はない」と答弁。マイナ保険証が日本独自のものだと認めた。

 そもそも、他国で個人番号や身分証明の制度はどうなっているのか。デジタル庁が公表している、コンサル会社が各国の共通番号制度を調べた報告書を読み解いてみる。

 

◆ナチス負の歴史が一因、ドイツは番号共通化せず

 

マイナンバーカード=一部画像処理

マイナンバーカード=一部画像処理© 東京新聞 提供

 まずは、ドイツ。行政手続きで使う番号には、税務識別番号、医療被保険者番号など分野別に複数ある。こうした番号とは別に国民の身分証明書もあり、2010年にICチップ付きの「eIDカード」を導入した。16歳以上に取得義務があり、年金情報や運転免許証登録情報の閲覧、銀行の口座開設などにも使える。行政が個人を識別するさまざまな番号と、eIDカードのような身分証は分野ごとに管理している。

 番号の共通化を巡っては1970年代に西ドイツで検討されたものの、プライバシー侵害を懸念する声が強く実現しなかった。南山大の実原隆志教授(憲法・情報法)は「71年に東ドイツでは共通番号を国民に割り振ったが、西ドイツでは反対に導入を断念した」と指摘する。断念の一因には、第2次世界大戦中にナチスが強制収容所でユダヤ人に番号を割り振って管理した負の歴史も影響しているとみる。

 一方、2021年には行政事務の効率化のため、税務識別番号の利用範囲を拡大する「登録現代化法」が成立。税務以外で法律が定める行政サービスにも使えるようにした。ただ同法は、個人情報保護の方策も定めた。実原氏は「ドイツでは一つの番号でさまざまな情報をひも付けることに対し、漏れた場合に思想信条などが丸裸にされるとの危惧は根強い」と述べる。

 

◆フランスは「デジタル保険証」身分証との統合は議論中

 

パリのエッフェル塔

パリのエッフェル塔© 東京新聞 提供

 次にフランスでは、医療を受ける際に必要な社会保障番号や、税申告義務のある人に割り振られる税務登録番号など、ドイツと同様に複数の番号がある。社会保障番号は国勢調査や徴兵の調査を実施するため1941年に導入された。

 

 自治体国際化協会パリ事務所の元所長補佐の岩瀬穂(みのり)氏によると、社会保障番号は医療費の払い戻し、納税者の本人確認、年金や選挙人の管理などにも使われる。「コロナ禍では、社会保障番号を利用して国民に給付金が早く支給された」

 98年には社会保障番号が付いた電子健康保険証(ビタルカード)が作られ、16歳以上の国民に自動発行されるようになった。ただ、これとは別に国家身分証明カードもあり、別々に運用されている。統合に向けた動きはあるものの、機密情報のセキュリティー対策への懸念などから議論になっているという。

 

◆イギリスは政権交代で廃止、アメリカは民間企業がID提供

 

かつて試行された英国の国民IDカードを手にする女性。政権交代で同カードは廃止された=2005年、ロンドン市内で(松井学撮影)

かつて試行された英国の国民IDカードを手にする女性。政権交代で同カードは廃止された=2005年、ロンドン市内で(松井学撮影)© 東京新聞 提供

 英国では、第2次世界大戦中の1939年に戦時措置として、国民登録法で身分証明書として使用できる共通番号とIDカードを導入。戦後、個人の身元を証明する行為は強制されるべきではないとの反発が強まり、53年に廃止された。

 その後、2000年代にテロ防止などの観点から国民IDの導入が検討された。06年、ブレア労働党政権がIDカード法を成立させたが、10年に保守党に政権交代すると、同法は廃止された。白鴎大の石村耕治名誉教授(情報法)は「生体認証付きのカードの取得を求める内容で、国民の監視につながるとの懸念が強かった」と説明する。

 米国では、社会保障番号が行政分野のほか、民間でも利用されている。1960年代以降は個人情報の流出やなりすましが社会問題となった。自身も社会保障番号を持っているという石村氏は「多くの情報は、社会保障番号にひも付けられている。だが、紙のカードは持ち歩くことはない」と話す。米国では、民間企業が提供するデジタルIDが公的な認証として使われているという。政府がIDを提供するのは好ましくないという考えが強い。「世界では対面ではなくモバイル端末で行政サービスを受けることが一般的になっており、デジタルIDの活用が進む。マイナカードのようなICカードはデジタルトランスフォーメーション(DX)に逆行する」

 

◆目指すのは「シンガポール並みのデジタル化」?押し付けに懸念

 デジタル庁が公表している報告書は、共通番号制度のモデルとして3つの形態を紹介している。税や社会保障などの個人情報をひも付けする日本のマイナンバー制度は、各行政機関が個別に管理している情報の番号とマイナンバーは別で、連携する際はマイナンバーを番号変換して接続する。

 これに対し、河野太郎デジタル相は、かつて自身の動画チャンネルでの配信でシンガポールの行政のデジタル化の状況を紹介している。一つの共通番号をすべての分野で利用できる方式の同国では、個人のスマホが番号にひも付けられているとし、その利便性を強調。日本でも将来、マイナポータルやマイナカードによって「シンガポール並みの行政のデジタル化ができるようになる」と言及した。

 これに対し、自治体情報政策研究所の黒田充代表は「民主的とは言い難いシンガポールをモデルにしてもらっては困る。上から押し付ける改革を進めることがすばらしいと考えているのだろうか」と危ぶむ。「マイナカードは本来、米国の社会保障番号の紙のように、自分のマイナンバーを証明するためのものだった」とする黒田氏。だが、いまは性格が異なるものになっているという。

 

◆説明なく制度と実態にズレ

 

患者に従来の健康保険証の持参を求める滋賀県保険医協会の太田志朗理事長=6月29日、同県庁で

患者に従来の健康保険証の持参を求める滋賀県保険医協会の太田志朗理事長=6月29日、同県庁で© 東京新聞 提供

 今月、河野氏がテレビ番組でマイナカードの名称変更に言及したことに触れ、こう強調する。「マイナンバー制度と、マイナンバーを使った公的個人認証制度と言えるマイナカードの実態がどんどんずれている。なのに説明が足りない。政府もよく分からないまま進めているということであれば、恐ろしいことだ」

G7諸国には、共通番号そのものへの批判や、国が国民にIDを与え、管理することへの抵抗感からマイナカードのような制度は存在しない。保険証廃止によって事実上、義務化を目指す日本は異端に映る。

 名古屋大の稲葉一将教授(行政法学)は「医療DXが、国会での議論なく、推進本部という行政の会議体で進められている」と政府の姿勢を批判する。昨年6月の「骨太の方針」で保険証の将来的な廃止に言及し、同年10月には河野氏が24年秋までの廃止の方針を公表、今国会で関連法案が可決した。「本来、何のためにどのように進めるか、もっと議論が必要のはず。法治主義や国会を軽視した結果、いまになってさまざまな混乱が起きている」

 

◆デスクメモ

 日本以外のG7各国でマイナ保険証的なものがないのは、国民世論を反映した民主主義の結果だ。カードを事実上義務化するために、政府が一方的に保険証廃止を決めるなどという、非民主主義的な禁じ手を使った国はない。これで民主主義の先進国集団たるG7の一員と言えるのか。(歩)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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