マイナンバーカードを巡るトラブルが収束しません。今の段階だけではなく以降も続くことが予測されますが、免許証紐付けで困るのはマイナカードでは有効期限が分らなくなって更新せず失効するケース、銀行口座情報が流出してしまうこと。余計なものを紐付けたために却って面倒なことになると予想されます。なりすまし防止や不正利用防止を言うコメンテーターは目先のことばかりで、この先に何があるのかが全く分っていません。
あらゆるものを紐付けることで政府は一元的な国民管理が出来てしまい、報償とペナルティを使って行動制限、預金移動禁止、ワクチンの強制接種とポイント付与、従わないものには口座凍結などが簡単にできてしまいます。岸田政権がそれをやるかどうかではなく、その気になったら出来てしまうというだけで、危険と見なさなければならないと思います。特にアメリカの言うなりになっている政権ではなおさらです。カナダではワクチン強制に反抗した国民に預金封鎖をしています。
保険証だけじゃない! 運転免許証、母子手帳…マイナカード一元化が今後招く「今以上のトラブル」リスト
「マイナンバーカードという名前は、やめたほうがいいのではと、個人的には思っている」
2日、NHKの報道番組『日曜討論』に出演した河野太郎デジタル担当大臣が、こう問題発言。マイナカードの発行や運営に携わる同庁トップによる、同施策の存在意義をも否定しかねないトンデモ発言だった。
松野官房長官は「あくまで個人的見解、政府として変更を検討してはいない」と即座に否定。政権は依然として、マイナカードへの一元化に“前のめり”だからだ。
「マイナカードと健康保険証や公金受取口座の紐付けを国民に促す作業は進んでいて、従来の健康保険証は’24年秋に廃止と決定。運転免許証の本人確認用としての使用は’24年度末までと6月27日に閣議決定されました。岸田内閣は国民の個人情報をデジタルで一元管理したいのでしょう。一本化をなんとしてもゴリ押しする姿勢です」(全国紙記者)
だが岸田文雄首相が「’24年秋の廃止に向けて、取り組んでいきたい」と保険証廃止に言及した6月12日の前後から、マイナカードと保険証や口座の紐付けを巡るトラブルが全国で続発している。
まず、公金受取口座の紐付けに、本人ではなく家族や同居人などの名義の口座を登録したケースが約13万件にのぼったとデジタル庁が6月7日に公表。そして他人の口座が公金受取口座に登録されたというケースも748件あった。
7月4日には、先の報告から約1カ月であらたに本人名義でない「家族口座」での登録が約1万件発覚、口座の誤登録も約200件増。
生活経済ジャーナリストで主婦でもある柏木理佳さんが言う。
「家族口座での登録に関しては、子どもの口座がないため親の口座を紐付けて登録した例などから、河野大臣は『誤登録ではない』と強調しています。また、公金受取口座の誤登録は、各自治体の公共パソコンから申請した際、ログアウトし忘れた前の申請者のマイナンバーで、次の人が自分の口座を登録してしまったことが原因と説明されています。しかしどれも個人情報の流出や漏洩につながる深刻な状況。政府の危機意識の低さが見て取れます」
これらを受け、全国保険医団体連合会は5日、従来の健康保険証が廃止された場合、マイナ保険証の使用で「無効や該当資格なしなどのトラブルが約72万件、カードが読み取れないなどの事案が約53万件発生する」と推計した。
「これほどの被害予測が出ていても、岸田政権は軌道修正しません。世論調査の内閣支持率は大きく下がり、不安の声はSNSでも増えてきている。その最たる動きが、マイナカードの『自主返納』です」(柏木さん・以下同)
■SNSで駆け巡るカードの#返納運動
この「自主返納」は、タレントのラサール石井(67)がいち早くツイッターで《本日マイナンバーカードを返納しました》と報告。
「マイナカードに保険証や免許証、口座まで一元化されれば、『財産を持って歩いているようなもの』『怖くて絶対に落とせない』といった不安から、ラサールさんに限らず返納希望者が激増しているんです。SNSでは『#マイナンバーカード返納運動』とタグ付け返納を呼びかける投稿が拡散しています」
共同通信の2日発表の調査結果では、5月以降、自主返納は少なくとも318件あったという。
だが、このような国民の不安や返納の動きも、どこ吹く風ーー。
松本剛明総務大臣は4日、認知症の高齢者らを対象に、「暗証番号の設定がなくても交付できるようにする」方針を表明したのだ。
マイナカードは暗証番号を入力することで、個人の情報の読み取りが可能になり、サイト「マイナポータル」の個人ページの利用や各種証明書の交付サービスなどを受けられる。
暗証番号は盗難や紛失の際に、悪用を防ぐ最大のセキュリティになるはずだが、「設定なしで発行可能にする」というのだから、詳細はぜひ確認したいところ。
■各省庁に疑問や不安をぶつけた結果はーー
そこで本誌がこの方針の具体案を総務省の担当者に問い合わせると「デジタル庁で聞いてください」と、にべもない返答だった。
次にデジタル庁の担当者にたずねると、「暗証番号が他者に知られない限り、悪用されることはありません」と説明してくれたものの、「暗証番号設定なしでも交付可能」方針の詳細については「厚労省におたずねください」という回答が再度の確認のあと返ってきた。
そこで最後に、厚労省の担当者に聞いたのだが、「総務省が内容を精査している段階で、厚労省にはお答えする材料がないため総務省におたずねください」。
なんと見事にたらい回しされた揚げ句、堂々巡りの始末。どこが監督省庁なのかも不明で、岸田首相のお株を奪う責任転嫁ぶりだった。
「続出するマイナトラブルの根源は、内閣と関係省庁の連携の悪さを象徴しているかもしれません。国民からの問い合わせにも、国は、『たらい回しにします』と言っているようなものです。私たちは、マイナカードが一元化された場合の起こりうるトラブルを想定しておくべきでしょう」
次の「トラブル一覧」は、保険証、口座など現在紐付け作業が進んでいるものと、今後紐付けが開始される可能性があるものに関して、「起こりうる(起きている)」トラブルを一覧にしたもの。
【「マイナカード一元化」で起こりうる(起きている)トラブル一覧】※柏木さんの解説を基に本誌作成
<健康保険証>
・登録が確認できず無保険扱いになって医療費10割負担
・顔認証の不具合によって病院で本人確認ができない
・救急搬送されても暗証番号がわからず、本人確認できずに病院が受け入れ拒否
・暗証番号流出によって病歴や治療歴などが漏れる危険
<公金受取口座>
・他人の情報が紐付けられて不正受給や誤受給が発生
・暗証番号の流出によって銀行の口座番号が流出
<運転免許証>
・有効期間表記がマイナカードにはないことで失効に気づかず運転する危険
・他人の情報が紐付けられて違反や事故歴の取り違えが発生し、ゴールド免許に影響
<障害者手帳>精神障害者保健福祉手帳、身体障害者手帳
・公金受取口座をほかの家族や他人が勝手に自分と紐付け、詐取される危険
・暗証番号を設定せずに交付を受けると、あらゆる手続きや情報確認がネット上で不可能に
<母子手帳>
・暗証番号流出によって子どもの出生情報が流出
・子どもの予防接種記録や病歴が流出
私たちの親世代や、自身が高齢になった際にも生活に大きな混乱をきたしかねない問題ばかりだ。
「たとえば、保険証では医療機関の窓口で本人の資格確認ができず、自己負担10割となってしまった実際のケースや、暗証番号の流出により公金受取口座を悪用されてしまう恐れなど、今後に起こりうるケースまで挙げています。これら各項目を把握したうえで、来る一元化に備えましょう。そしてまた国会で議論が進む諸問題に関しても、疑問を持ったら質問したり、SNSで問いかけたりと、意識を高めていきましょう」
老後の生活、個人情報は自分で守る、それを肝に銘じよう!