松田学のニュース解説 新型コロナ最新情報 オミクロンの正体69<本編>
井上 正康 大阪市立大学名誉教授
尾身茂 第9G波の入り口に入ったのでは? 感染2.5倍
新型コロナ感染症対策分科会長の尾身茂氏は『全国約5000ケ所の定点観察で感染者数が2.5倍増えたことから第9波に入った。これによる死亡者数を第8波より少なくできれば、その後の被害も抑えられる可能性がある。重症化リスクが高い高齢者のワクチン接種や介護施設の感染対策が重要」と述べた。これは感染症の基本を知らない素人の発言かと疑いましたが、「国の感染症対策を指導する分科会長の言葉」であることに改めて驚きました。
3年前の第1波以来、新型コロナのリスクは波毎に軽減し続けており、これはパンデミック感染の教科書的イロハである。現在、拡散しているオミクロン亜株の性質もこれまでのオミクロン株と大差ないので、第9波でリスクは更に軽減すると考えるのが感染論の基本である。この様な状況で毒性の強いmRNAワクチンを高齢者に推奨することは逆効果となり、不勉強な素人的発言である。この会長の指導で国の感染症対策が迷走したのは無理もない事である。
新型コロナ「第9波」入口か 夏に感染拡大の可能性 「夏の間に一定規模の感染拡大が生じる可能性」
梅雨が晴れて「真夏日」となり、全国的に熱中症の季節となりつつある。オミクロンにはマスクも無効であり、熱中症対策の方が遥かに重要である。製薬企業から多額の献金を受けている御用学者が「感染リスクがありそうな場ではしっかり感染対策し、リスクのある場面ではマスクをしっかりつける。その場その場で一人一人の判断でやっていくべきと思います」などと意味不明の発言をしている。これからの季節は、子どもや高齢者の熱中症に対する予防法をキチンと伝えることが専門家の重要な仕事であり、僅かなコロナ患者で針小棒大に煽り報道すべきでない。
米ファイザー社が新型コロナウイルス感染症に関する意識調査を行い、「全体の約65%が怖い病気ではないと答え、25%が風邪と同じ様なものと認識していること」が分かった。未だに「怖い病気」と感じている人は高齢者でも僅か23%である。「怖い病気ではないと回答した理由」は「健康であれば問題ないと思う」が最多であった。
無症候性パンデミックのオミクロン時代となり、「喉風邪で数日休めば治癒することを経験した市民が増えてきた事に加え、メディアや専門家に煽られてワクチンを接種した方が感染しやすくなった事、及びワクチン被害者が続出している事実など、『新型コロナの真の実力』が国民に知られる様になった。今後、インフルエンザも含めて全てのワクチンがmRNA型に取って代わられる可能性があるが、『根本的設計ミスである遺伝子ワクチン』を決して接種せず、日常生活で免疫力を維持する事が健康維持の基本である。
メディアが煽っている6月のインフルエンザ感染者数は『定点機関あたり1.3人とさざ波以下』であるが、メディアが異常に煽り報道している。自称専門家は「抗体保有率から感染者は約3~4割であり、ワクチンの効果がなくなったので増加している」と誤情報を発信している。「ブレイクスルー感染が起った直後に『感染予防効果は無い』厚労省が説明を変えた事からも分かる様に、『mRNAワクチンに感染予防効果が無い事実』は世界的に認められている。コロナ抗体の血中半減期は約36日と短いので『感染の指標』にしてはならない。『緩やかに増加していると煽られている実数もさざ波以下』であり、明らかな煽り報道である事は以下の図表からも明白である。
【インフルエンザ感染者数の経年変化:5月以降はさざ波以下である!】
【コロナ感染者数の定点観察:さざ波状態で煽り報道】
札幌市下水サーベイランスでのウイルス排出量
感染力が激増したオミクロンで下水がPCR陽性になるが大半が無症候性感染であり、メディアに煽られて馬鹿騒ぎすべきでない。
ワクチンをあれ程接種したのになぜ何波もやってくるのか? 倉持院長「うーん、まんだむ」コロナ5類移行後初専門家会合で「夏に拡大の恐れ」との報道に苦悩
コロナ5類格下げ後の専門家会合で「ワクチンあんなに打ったのになぜ何波もやってくるのか?4年目になっても先生はまだ同じこと言ってるんですね」と批判されたことに対して、倉持院長は「4年目になって同じことを繰り返す姿に脱帽!脱力!うーん、まんだむ」とつぶやいた。コロナ禍初期にPCR検査で荒稼ぎして非難された倉持院長は感染症学では素人である。
感染力が旧型風邪コロナの約70倍も増加したオミクロン株は無症候性パンデミックとして人類と動的共存関係にある。変異で感染力が増加した亜株が前株を上書きしてPCR陽性波を呈するが、基本的には無症状であり、発症しても大半が喉風邪である。オミクロンもRNAウイルスなので基本的には冬季型であるが、強い感染力故に冬以外でもPCR陽性波を呈する。日本の国民は「症状もないのにPCR検査で馬鹿騒ぎしてはならない事」を3年かけて学んだが、倉持院長も「うーん、マンダム」などと意味不明の戯言を言わず、この機会に感染症学をキチンと勉強し直すべきである。
北里大学中山特任教授:ワクチンに基礎研究に投資と理解を
ロシアや米中対立の先鋭化で世界の分断が進む中、国産ワクチンが安全保障の観点から重要な戦略物資と考えられている。中山哲夫北里大学特任教授は「ワクチンは国民を守る武器であり、輸入に頼るのはリスクが高い。これまで日本は優秀なワクチンを作ってきたが、次のパンデミックへの対応に必要なのは国内製造能力を開発することだ。
海外は新規ワクチンの基礎研究を積極的に進めてきたが、日本では国も製薬企業もワクチンの開発投資を減らして基礎研究をおろそかにしてきた。新型コロナワクチンの副反応で亡くなった方も多いが、国は国民に対して科学的教育を行い、基礎研究支援を恒久的に拡大する必要がある」と述べている。医学部の学生時代に『ジェンナーの種痘でワクチンが開発され、それにより天然痘が撲滅された』とのエピソードを学んだ大半の医師には『ワクチンは無条件に重要であるとの既成概念』が深く根付いている。
その為、今回のコロナ禍でも『ワクチンに反対するとはトンデモナイ医師だ!』との意見が圧倒的である。半世紀前の大学院時代に『安全なワクチン』の研究をしていた井上も『3年前まではワクチンに大きな期待』をしていた。しかし、今回のパンでミック騒動で『効果も安全性もチェックされていない遺伝子ワクチンが緊急承認されて世界中で接種された結果、『人類史上最大の深刻な薬害』を暴走させた。
実は「mRNAワクチンはワクチンではなく、『半世紀近く失敗し続けてきた遺伝子治療薬の欠陥品』である。体内で病原体のスパイク蛋白を産生する細胞は『感染細胞』と見做されて免疫的に攻撃されて自己免疫疾患を必発する。この為、『mRNAワクチンは根本的な設計ミスであり、全ての病原体に対してmRNA型を使用してはならない』がマトモな医学教育を受けた医師の共通認識である。
一方、『治療法のない感染症や重篤感染症に対しては、今もワクチンへの期待は大きい』のが現実である。しかし、現代医科学のレベルで『安全性と有効性を検証されたワクチンは皆無』と考えられる。日本でお馴染みの『インフルエンザワクチン』は『前橋レポートにより無効である事が証明され、厚労省もそれを認めて集団接種が禁止』された。
しかし、『発症時の重篤症状』に対する恐怖感で未だに任意接種されている。その為に母子手帳でも『任意接種扱い』にされている理由である。同様に任意接種扱いされているのが『深刻な薬害を出した子宮頸がんワクチン』である。本年から母子手帳の任意接種リストに『コロナワクチン』が追加された。『母子手帳で任意接種扱いされているワクチン』は接種不要である。
一方、他のワクチンの有効性と安全性を科学的に再検討する必要があるが、それには極めて長い期間が必要である。次善の策として「今回のパンデミック騒動で科学的対応を貫いて被害を最小限に留めた『スエーデンなどの医科学立国で接種されてないワクチンは日本でも不要』と判断する事も可能」である。その様なことも含めて『安全かつ有効な非遺伝子型ワクチンを国防の観点から研究開発する事』は国策として必要であろう。
現在、経産省の補助金で20社近くが参加して『mRNAワクチン製造拠点』を構築しているが、これらは近い将来に『深刻な薬害を起こして廃止されるであろう』と考えられる。マトモな医学者が政府や国民にその危険性を説明して薬害を未然に防ぐ事が緊急課題である。その意味でも『変異速度の速いRNAウイルス以外に対する安全で有効な非遺伝子型ワクチンの開発研究」は残された重要課題である。
コロナワクチンを製造するファイザー/ビオンテック、モデルナ、ノババックス社はXBB.1.5を含むmRNA型ワクチンの開発に着手している。FDAのピーター・マークス氏は「メーカーの接種準備が可能なXBB.1.5が採用される可能性が高い」と指摘している。XBB.1.5対応型ワクチンは現在主流のオミクロン亜株に対応するmRNAワクチンであるが、その原理は武漢型コロナウイルス対応型と同じである。スパイクのプラス荷電が激増したオミクロン株は喉粘膜の負荷電糖タンパク質に強く結合して非受容体型で感染する。その為にオミクロン型の感染予防では唾液中のIgAが主役であり、血中抗体は脇役に過ぎない。もっとも、変異速度の速いRNA型オミクロンにワクチンで対応する事自体が基本的な誤りであり、日頃から免疫力を高めることに加え、喉風邪の際には安全な症状軽減薬を迅速に処方すべきである。
ワクチン被害の実態調査を