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完全に警察の落ち度があった

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一夜明けて、安倍元首相銃撃事件に様々なツイートが出てきました。

360度どこからも狙えるところ、特に演説者の背後が自由に通れるところ、何故ここで演説をしていたのか。

[スキャナー]警察幹部「完全に警察の落ち度」…容疑者が車道出た時点で「声かける必要あった」

演説する安倍元首相(中央)(8日午前、奈良市で)=提供写真

読売新聞 2022/07/09 13:23

安倍晋三・元首相(67)が奈良県内の路上で参院選の応援演説中に銃で撃たれ、死亡した。容疑者の男は警察官に制止されることなく至近距離まで近づき、発砲していた。現場の警備体制や身辺警護に問題があった可能性が高い。(奈良支局 平野和彦、社会部 建石剛)

■後方から歩いて

 街頭演説の会場は奈良市の近鉄大和西大寺駅前で、近くに大規模な商業施設がある。人通りが多く、選挙の演説では過去にもたびたび使用されてきた。

 安倍氏が演説に立ったのは、歩道と車道の間にあるガードレールで囲われた場所だ。後ろは車道で、車が走行していた。安倍氏は台の上に乗り、前方の聴衆に向かって話をしていた。

 目撃者の話やSNSに投稿された映像によると、銃撃した山上徹也容疑者(41)(殺人未遂容疑で現行犯逮捕)は、安倍氏の後ろの車道を挟んで十数メートル離れた場所で、しばらく演説を聞いていた。その後、歩いて車道を渡り、ゆっくり安倍氏の背後に近づくと、警察官に制止されることなく発砲していた。

 要人警護に詳しい元警察幹部は「なぜ、あのように後方が開けている場所を会場に選んだのか。周囲360度から狙われる恐れがあり、一見してリスクが高い」と指摘する。警察幹部は「容疑者が車道に出た時点で、警察官が声をかけなければならなかった。完全に警察の落ち度だと認めざるを得ない」と話す。

■有権者との距離

 警察庁によると、安倍氏らの来場を受け、奈良県警が警備体制を敷いていた。制服警察官らが警戒に当たったほか、県警の警護要員や警視庁の警護員(SP)1人が安倍氏の身辺を警戒していた。

 選挙での街頭演説は、不特定多数の聴衆が集まることから、警察内部でも「最も難しい警備の一つ」と言われる。時には握手や写真撮影に応じるなど、有権者との距離が近い上、屋外での演説であれば手荷物検査も難しい。

 これまで数多くの警備に従事した警視庁幹部の一人は「候補者に群衆を近づけないようにしなければならない一方で、候補者からは『有権者とふれあいたい』との要請があり、バランスが難しい」と語る。

 しかも、街頭演説ではより多くの聴衆を集めるため、「総理、来たる」などと有名政治家の来場を事前に予告するケースが多い。今回も自民党のホームページで前日の7日午後7時頃に遊説日程が公表されていた。

 日程が急きょ変更され、警察官の配置や動線の確保などの警備計画を短い時間で練らなければならないことも少なくない。安倍氏も今回、別の選挙区に応援に入る予定だったが、前日に奈良県に変更されていた。

■徹底検証の必要

 閣僚や与野党幹部、歴代の首相経験者らには原則として警視庁のSPが付き、身辺警護を行っている。警護の体制は、対象となる人物によって異なる。

 保守政治家の象徴的な存在だった安倍氏は、政治や国のあり方について積極的に発言して支持を集める一方、批判的な立場の人も多かった。首相在任中には、演説中に反発する人が詰めかけて現場が混乱し、遊説予定を伏せるようにしていた。だが最近は他の党幹部と同じように予定を公表するようになっており、「退任して時間がたち、警察や関係者が油断した側面があったのではないか」との見方もある。

 警察庁は事件を受け、全国警察に警護対策の強化を文書や口頭で指示した。元警察幹部は「容疑者の個人的な問題など特殊要因で起きたものではなく、様々な要因が重なって起きたと考え、徹底的な検証を行う必要がある」と話した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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