ワクチンの有効性が、時間の経過と共に低下していることはよく報じられてきました。そのために追加接種で抗体を上げる必要があるというものでした。しかし、追加でブースター接種をしても、やがて時間が経過すれば再び抗体価が低下してきますから、また打つことになる。一体何回まで接種を続けられるのか、という問題が出てきてしまいます。
mRNAワクチン自体が、人間の免疫を押さえて炎症が起きないようにする作用機序がありますから、自己免疫疾患に罹りやすくなります。炎症は起きないけど、他の感染症や癌の急速な進行など、身体の状態はボロボロになっていくわけで、人の身体はいつまで耐えられるかという問題です。そして半年程度と言われていた一定期間の経過で、自然免疫・T細胞系が回復してきて、炎症が起きやすくなり、ウイルスにも感染しやすくなります。
以前にご紹介した宮澤 大輔 医師によるものです。子供に対するワクチンの有効性が一定期間経過後にマイナスに転じてしまいます。
5~11歳の接種直後は感染予防率65%だったのが28日後には12%となり、さらにそこから下がっていき35日後には-10%、42日後には-41%。つまり未接種者よりも感染しやすくなってしまう。ワクチンの効果は28日以降で消失し、以前より感染しやすくなってしまうことを表わしています。
実は、これと同じことが大人でも起こっているという考察が出てきました。
コロナワクチンの有効性は接種8ヶ月後にはマイナスに転じる: Lancetに掲載された論文から
荒川 央 1991年 京都大学理学部卒業 1996年 京都大学理学博士 (分子生物学、免疫学) バーゼル免疫学研究所 (バーゼル)、ハインリッヒ・ペッテ研究所 (ハンブルク)、ヘルムホルツ研究所 (ミュンヘン)、マックスプランク研究所 (ミュンヘン) を経て分子腫瘍学研究所 (ミラノ)所属
厚生労働省によるコロナワクチンデータの改竄が発覚しました。ワクチン接種済みの人でも正確な接種日が不明な場合、未接種者として計上していたのです。指摘を受けてデータを修正したのは2022年4月の第3週以降です。修正後のデータでは、ワクチン2回接種した人10万人当たりのコロナ陽性者数が、ワクチン未接種者10万人当たりのコロナ陽性者数よりも多くなりました。ワクチンを接種した方が未接種よりも感染しやすくなるという事はあり得るのでしょうか?
コロナワクチンは、接種後に免疫がどの程度の期間維持されるかも不明なまま、見切り発車の状態で大量接種へと進みました。コロナワクチンの効果は実際どれ程の期間続くのでしょうか? この疑問に関連した論文がLancet誌に発表されました。9ヶ月間の大規模なコホート研究です。結果、ワクチンの効果は接種後半年で大きく減衰し、それどころか8ヶ月以降はマイナスに転じるという事が判明しました。
この後ろ向きコホート研究は、スウェーデンで行われたものです。「コホート研究」とは、分析疫学における手法の1つです。特定の要因に曝露した集団と曝露していない集団を一定期間追跡し、研究対象となる疾病の発生率を比較する事で、要因と疾病発生の関連を調べる観察研究です。薬剤疫学、産業疫学などで、過去の曝露状況が記録として残っている場合には、過去にさかのぼってコホート研究の情報を得る事ができます。この情報を使って曝露状況と疾病の発生の関連を調べる研究方法を「後ろ向きコホート研究」と呼びます。
この研究は、2020年12月28日から2021年10月4日の間に完全接種 (2回接種) を受けた842974人を対象に調べたものです。その後、各個人は、国家機関であるスウェーデン統計局によって、スウェーデンの全人口から出生年、性別、市町村においてランダムに抽出された1人と、生年と性別により1対1でマッチングされました。このように、全研究コホートは842974組 (1685948人) の構成となっています。2回接種 vs. 未接種の状況で、コロナ感染及び、重症化について比較されました。検査の大部分はPCRによるものです。コロナ重症化についてはコロナ感染による入院、及び死亡で判断されました。
マッチングされたペアの両個体のベースラインは、ワクチン接種を受けた個人の2回目の接種日です。マッチングのプロセスは5回繰り返されました。メインコホートから、特定のワクチンタイプ (ファイザー、モデルナ、アストラゼネカ) とスケジュール (異種ワクチン混合) に応じて4つのサブコホートも形成されました。また、感度分析に使用するために、第二のコホートが形成されました。この第二のコホートは、コホートの規模を大きくするために、あまり厳密でないマッチング基準を用いて形成されました。このデータセットでは、各ワクチン接種者は年齢のみで残りのコホートと照合され、各組の年齢差は5歳です。このプロセスは10回繰り返されました。
図は、コロナワクチン接種者842974人と同数のコロナワクチン未接種者を9ヶ月までのフォローアップでマッチングさせた場合の、あらゆる重症度のコロナ感染に対するワクチンの有効性についてです。
追跡期間中央値108日の間に、27918人のコロナ感染が確認され、そのうち6147人がワクチン接種者 (10万人日あたり4.9人感染) 、21771人がワクチン未接種者 (10万人日あたり31.6人感染) でした。いずれかのワクチンを2回接種した場合のワクチン効果は、15~30日でピークに達し (92%) 、31~60日でわずかに減少しました (89%) 。それ以降は衰えが顕著になり、211日目以降は検出可能なワクチン効果は残りませんでした (23% [95% CI −2%~41%] )。CI (Confidence interval) は信頼区間です。信頼区間とは母集団の真の値が含まれる事が信頼できる数値範囲です。 例えば95% CIとは、繰り返し信頼区間を求めたときに95%の割合でこの範囲に真の値が存在する事を意味します。
61~120日の時点でワクチンの有効性は、80歳以上の高齢者では50%、主婦では61%に低下していました。性別では、男性では181日目以降はワクチンの有効性が検出されませんでした (17% [−13%~40%] ) 。ファイザーのワクチン効果は、15~30日目で92%、121~180日目で47%、211日目以降は23% (−2%~41%) でした。モデルナでは、ワクチン効果は15~30日目で96%、181日目以降で59% (18%~79%) でした。また、異種混合でアストラゼネカ+mRNAワクチンスケジュールでは、15~30日目のワクチン効果は89%、121日目以降は66% (41%~80%) と、衰えがやや緩やかでした。一方、アストラゼネカのワクチン効果は、15~30日で68%であり、121日目以降は検出できませんでした (−19% [−98%~28%] ) 。
追跡期間中央値124日において、ワクチン接種者のコロナによる入院または死亡は277例 (10万人日あたり0.23例) 、ワクチン未接種者の入院または死亡は825例 (10万人日あたり1.20例) でした。いずれかのワクチンを2回接種した場合のワクチン効果は、15~30日目で89%であり、121日目以降は64% (44%~77%) に減少しました。
この研究により、9ヵ月間の追跡期間中に、重症度を問わずコロナ感染に対するワクチンの有効性が徐々に低下している事が分かりました。メインコホートでは、最初の1ヶ月のワクチン効果は90%以上でしたが、その後すぐに漸減し始め、最終的に7ヶ月後にはワクチン効果は検出されなくなりました。ワクチンの有効性は、ワクチンのスケジュールや種類によって異なるものの、全てのサブグループで低下しました。また、全体として女性よりも男性、若年者よりも高齢者の方がワクチンの効果が低い事も分かりました。
この研究が示すように、コロナワクチンの効果は接種後から経時的に大きく減衰し、さらには人によってはマイナスにも転じます。日本ではコロナワクチンの大量接種が始まってから1年ほどになります。もう既にワクチンによる免疫が低下し、防御効果がマイナスになっている人も居られるでしょう。
単に効果が無くなるだけであれば、ワクチン接種者の感染防御効果はワクチン未接種者のものと同等になるはずです。しかし、ワクチン接種後8ヶ月以上が過ぎるとワクチンの有効性がマイナスへと転じ、むしろ接種者は未接種者よりも感染や重症化しやすくなるとの結果が出たのです。こうなると、まさにコロナワクチン接種はハイリスク・ノーリターンの行為でしょう。
何故コロナワクチン接種によって免疫力が低下するのか? 作用機序を理解するためにはさらなるデータが必要となります。1つは免疫の防御能が衰えるのは、コロナウイルス感染に限定したものかどうかという事です。一般的に、ワクチンは抗体産生細胞 (B細胞) やT細胞の免疫記憶を作る事によって感染症に対する免疫を獲得するものです。抗体を例にとってみても、ワクチンによる作用はプラスのものとマイナスのものがあります。プラスは感染から防御してくれる抗体です。マイナスは抗体依存性感染増強 (ADE) や抗原原罪によるものです。ADEや抗原原罪が起こればコロナウイルスやその変異株特異的に感染しやすく、重症化しやすくなるでしょう。また抗体依存性自己攻撃やT細胞依存性自己攻撃により、ワクチンによって作られた抗体やT細胞が自分の細胞や組織を攻撃するのもコロナワクチンによるマイナスの免疫の影響です。
また、この研究の統計では、コロナ感染以外を理由とした入院や重症化は検討されていません。つまり、ワクチン後遺症により重症化もしくは死亡があったとしても、それは結果に含まれていないという事です。免疫力の低下がコロナ感染に限定したものでないなら、問題はさらに大きくなるでしょう。なぜなら、コロナワクチン接種者はあらゆる感染症に対して抵抗力が弱くなるからです。免疫力の低下は、潜伏感染しているヘルペスウイルスの再活性化による帯状疱疹、EBウイルスによる自己免疫疾患、癌の増加や悪性化などとして現れる可能性があります。
欧州でワクチン接種後の免疫低下 (Vaccine Acquired Immune Deficiency Syndrome (VAIDS) が報告されています。エイズ (AIDS : Acquired immune deficiency syndrome) は後天性免疫不全症候群の事です。ヒト免疫不全ウイルス (HIV) が免疫不全を起こす作用機序では、HIVがCD4陽性細胞、つまりヘルパーT細胞に感染し、最終的にヘルパーT細胞を枯渇させます。ヘルパーT細胞は獲得免疫の司令塔です。B細胞、キラーT細胞が攻撃を開始するためにはヘルパーT細胞の許可が必要で、ヘルパーT細胞がなくなれば獲得免疫の攻撃システムは沈黙します。
VAIDSという現象があるとして、それはエイズと類似した現象を見ているのか、あるいはその中には抗原原罪など他の作用機序のものも含まれるのか。それは一時的な現象なのか、場合によっては一生続くのか。例えば、HIVによるエイズなどの免疫不全は一生続くものです。コロナワクチン接種による短期の副作用としてリンパ球の減少が知られています。人によってはリンパ球の減少が短期間で済まないのかもしれません。リンパ球にも多くの種類があります。免疫系の構成細胞は基本的には血球系で、ほとんどが血中を循環しますし、それぞれの細胞種はマーカーによって区別できます。ワクチン接種者でリンパ球が減少している場合、どの種類のリンパ球が減少しているかを詳しく解析すれば、免疫低下の作用機序の理解に繋がるでしょう。
この研究でも、ワクチン接種後2週間まではワクチン接種の統計に含まれていません。いわゆる「魔の2週間」の被害が統計から外されているのです。接種から14日間の間には短期間の副反応が集中します。また、この期間にはリンパ球が減少する事が分かっており、これは一時的な免疫不全の原因ともなり得ます。この期間を除外する事で、見せかけのコロナウイルス感染者数、他の感染症、重篤な副反応などを効率良く減少させる事が出来ます。そうなると、コロナワクチンの統計上での未接種とは一体何なのでしょうか。実際ワクチン接種から14日以内を未接種としたり、決まった回数のワクチンを接種していないと未接種と数えたりする国もあります。そもそもコロナワクチン未接種の定義を明示していない統計は信用に値しません。
厚生労働省が、ワクチン接種日が不明な人を未接種者にカウントしていたのは、データの改竄に当たります。統計の不正はこれだけではありません。厚生労働省は心筋炎の統計においても不当な操作をしていた事が分かっています。『世の中には3種類の嘘がある: 嘘、大嘘、そして統計だ』(There are three kinds of lies: lies, damned lies, and statistics)。まさに、この言葉を思い出します。
厚生労働省は国民の健康と命に関わる悪質な捏造を組織ぐるみでやっていたわけです。研究の現場で捏造が発覚すれば、捏造した研究者が関わった研究は過去に遡って事実かどうか疑われる事になります。関係者は所属機関からは解雇され、研究助成金は没収または返還が要求されます。場合によっては所属機関が解体される事すらあります。厚生労働省がまずやらなければならないのは、1) 改竄されたデータを過去に遡って訂正する、2) 経緯を明らかにし、関係者全員を厳正に処分する、3) 関連する費用を全額没収または返還する、などでしょう。厚生労働省にはデータ改竄と捏造の経緯についての説明責任があります。
2021年は6万人もの超過死亡を記録しました。この数字は戦後最大級です。さらに、2022年になっても超過死亡は続き、今年もすでに数万人の超過死亡が出ています。その一部もしくは大部分はコロナワクチン接種によるものではないかと私は疑っています。コロナワクチン接種による副反応には心筋炎、自己免疫疾患、癌、神経変性病など、老化とともにリスクが高まる病気が予測され、実際に後遺症として報告されてきています。ここから推定できるのは、老若男女問わずコロナワクチンによって文字通りの「老化」が加速している可能性です。老化によってより大きな被害を受けるのは高齢者です。高齢者における老化の加速は死に直結しかねないからです。超過死亡の原因に老衰が多く含まれるのなら、それは看過できるものとは思いません。