ワクチンを接種した後に免疫が低下したことが問題になっていますが、誰にでも起こるのでしょうか。
接種者の自然免疫抑制は必ず起こるのか?井上正康先生1:39:22~
これは免疫とは何なのか、という基本的な問題が関係しています。皆さん方の顔が十人十色であるように免疫の特色というのは個人ごとにものすごいバリエーションがあり、顔が違うのと同じくらい免疫反応にも個人差がある。例えばワクチンを打ったり毒素を打っても、抗体が全く出来ない人が沢山います。こういうのをノンレスポンダーというのですが、自分の子供の時からずーっと成長する段階で獲得してきた免疫力だから千差万別です。
一番卑近な例は、我々が中国やインドに旅行しますとすぐにお腹を壊して下痢を起こしますね。しかし、現地の人はなんともない。そして日本へ帰ってきて2週間くらいするとまた元に戻ってくる。これは民族による差なんですけども、日本の中を移動しても何も起こらないと。しかし昔から引っ越しをする時に、水が変わるから気をつけて下さいという、はなむけの言葉がありましたね。地域によって病原体の種類が違う。
それに対して違ったところへ行くと、ホストと病原体の関係で症状が出たり出なかったりする。そういう地域差もあるし、個人差も非常に大きいというのが免疫の基本です。ですから同じファイザー社のワクチンを打っても、うんともすんとも副反応がない方から非常に強く出る方、千差万別です。これが免疫の特色なんですね。しかしながら、症状が出る時には少なくとも今回のファイザーのmRNAですと、mRNAという加工された構造による現象と、そしてそれが作り出したスパイクが引き起こす病態と、そしてスパイクに対する免疫攻撃という自己免疫疾患的な3つは共通した現象なんですね。
ですから免疫副反応が非常に起こりやすい人から起こりにくいという個性があると同時に、副反応が起これば大体その3つに集約されたような症状が出てくると。これが今回の副反応の基本的な出方であると考えたら良いかと思います。あの人は打ってもケロッとしている方もおられれば、非常に強く症状を出す方もおられるというのはそういうことなんですね。
それともうひとつは、何故自然免疫が抑制されるかですが、今回のmRNA。通常生体の中に打ちますと数十分から数時間でRNaseという酵素でバラバラに切られて分解されるんですね。ところが今回のmRNAはA、G、C、Uという4つの塩基の中のU:ウラシルという塩基がメチル化という化学修飾される、これによってものすごく分解されにくい構造になっている。だから長期間は数週間から数ヶ月はスパイクタンパクを作り続けることが出来る。
体内で出来るmRNAとは全く違った挙動をすることが分っております。そのmRNAの化学構造が免疫系のトールライクレセプター(TLR)といって、色んなRNAとか異物を認識する受容体がある。これに結合することによって自然免疫系を抑制する作用があることが去年の秋口にサイエンスにそういう論文が報告されてきた。それが今回mRNAを打った方で例えば帯状ほうしんが出来るとか、あるいはベロに真っ白なこけが生えたとか、アフタが出たとか、色んな、ヘルペスウイルスというのは常に我々に常在している、共生しているウイルスなんですね。
それが自然免疫力がパッと抑制されたために、一気に日和見感染的にお祭りを起こしているという現象が起こっています。今回のmRNAワクチンで自然免疫が抑制されるというのはメチルウラシルによって引き起こされた免疫反応である。また同じ仕組みが細胞性免疫も抑制することが分っておりまして、これが癌なんかが日常生活の中で遺伝子が突然変異して、癌がコンスタントに出てきているんですけど、それを排除する能力が抑制されることによって、癌が再発しやすくなる、そういうことが今、起こりつつあるんです。
しかしながらmRNAも大体数ヶ月位すると、段々排除されたり消えたりしていくと考えられますので、いつまでも続くものではない。そういう意味では免疫のバランスをきちっと維持しながら、あまり過剰な筋肉を過剰に使うような生活スタイルをせずに、しばらく気をつけておられるとやがて年季が明けてくるという風に考えて、将来に対する希望を持って生活することが大事だと考えます。
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