新規事業ご案内
新規事業として一般向け『電話によるカウンセリング業務(有料)』が始まります。ご案内ページをご覧になりお申し込み下さい。18歳以上の方が対象になります。非接種者として辛い思いをされてきた方のお話を聴かせて戴きます。https://k-doujou.com/counseling-1/
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今回は日常の対人関係で良く起こるパターンについて紹介したいと思います。皆さんは人と会話して、最後には嫌な感情を抱いたことはないでしょうか。あなたのためにと思って話を聞いたのに、自分は無力で結局は何も変化はなかった。相手を説得しようとしたのに、何も分って貰えず終わってしまった。何気ない日常会話なのに、最後は自分が悪いという結論になってしまっている。
このような会話にはあるパターンがあります。人間関係というと難しいものだとか、苦手な人がいるとか、いつも悩まされる、というイメージがあるかも知れません。今回はエリック・バーンによる交流分析(トランザクショナル・アナリシス)から紹介します。
『yes・・・but』は『そうですね・・・しかし~』という会話のやり取りを指してイエス・バットと呼んでいます。最後には否定的な感情になる、これ以上会話を続けるのが嫌になるものを『ゲーム』と呼んでいます。具体的にどんなものがあるのか、以下に紹介してみます。医者と患者(経営者)の会話
患者:先生、とにかく疲れて困るんです。3回も人間ドックに入って精密検査して貰ったんですが、内科の先生は何処も悪くないっておっしゃるんです。けれども疲れるんです。どうしたら良いでしょう。
医者:お仕事をやり過ぎるんじゃないですか。適当なところでお仕事を切り捨て、休みを取られたらどうですか。
患者:先生、それができないんです。客観的にみても、どうしてもダメなんです。休日も会社関係の付き合いで、ゴルフなんかに行かなくちゃなりませんし・・・今、私が休暇なんか取っていたら会社が潰れてしまいます。
医者:それじゃ、仕事のスケジュールを計画的になさって、昼休みをたっぷり取られたらどうでしょう。
患者:それがねえ、お役所や銀行と違って私の会社は小さな商事会社ですからねえ、昼休みやコーヒーブレイクもないんですよ。昼休みにもジャンジャン電話がかかってくるんです。昼食なんてサンドイッチを買ってこさせて、頬張りながら書類に目を通しているくらいなんです。
医者:それは、あなたが一人でやり過ぎですよ。後継者育成の意味からもドンドン若い人に手伝わせて、下の人に任せた方が能率が良くなりますよ。
患者:それが人材不足でしてねえ。私の後継者になりそうな人材がいないんですよ。この前も、信頼できると思った部下にすっかり責任を降ろしてやって貰ったら、大失策をやらかしましてね。何千万円という損失になりました・・・・
医者:それじゃ、役員になるような人材を紹介してくれる良いエージェンシーをご紹介しましょうか。身体には変えられないですよ・・・
患者:ありがとうございます。でもねえ、先生、人材斡旋をコマーシャルベースの人材会社に任せるのはねえ。失敗したら、それっきりですからねえ・・・
医者:そうですか、そんなお気持ちじゃねえ・・・
患者:先生、でも何とかしたいんです。どうしたら良いでしょう。
このような人があなたの周りにいませんか? はっきり言えば、この患者さんにどのようなアドバイスをしても、受け入れて貰えることはないでしょう。そして二人の感情は嫌な思いをして終わることになります。これがゲームです。このあと何処まで会話を続けても『イエス・バット(そうですね、でもしかし)』を繰り返していくと思います。『カウンセラーはアドバイスをしない』と以前言いましたが、それにはこういう理由があるからです。私なら『身体が疲れ切って大変なのに、代わってくれる人がいない。こんな状況がいつまで続くか分らずにいる。どのように思いますか?』と言うと思います。相手に考えて貰う事が優先です。自分で考えて出した結論なら、その通り行動するだろうと予測します。
さて、日常場面でこのような会話に巻き込まれそうなとき、あなたならどうしますか。『イエス・バット』の会話になっていると分ったら、すぐにそこから出ることです。結末の嫌な感情になることが分っているなら、さっさと切り上げることが必要です。
現代のエスプリ カウンセリングの実際 岡堂哲雄 至文堂 P121
人間同士の関わり合いの中で様々なパターンを繰り返す『ゲーム』について解説しました。これを機に心の問題を考えて戴けたら幸いです。