佐藤委員 比較的重大なアレルギー症状ということで医療機関から報告が上がっているわけで、それをアナフィラキシーの定義に当てはめるかどうかということは別にして、そういうこともかなりほかのワクチンに比べれば相当10倍ぐらい高い頻度で報告が上がっているわけですよね。そういうことを考えると、このまま放置していいということにはならないのではないかと思います。
○磯部委員長 決して放置していいとは誰も思っていないだろうと思いますので、御指摘も踏まえて今後も分析を続けていただくということに尽きるのではないかと思います。また、ほかの委員の先生方の御意見もその点、伺えればと思いますけれども
今回は、6月28日第4回医薬品等行政評価・監視委員会の議事録から紹介します。
第4回医薬品等行政評価・監視委員会より佐藤嗣道委員の質問①
第4回医薬品等行政評価・監視委員会より佐藤嗣道委員の質問②
第4回医薬品等行政評価・監視委員会より佐藤嗣道委員の質問②への回答
佐藤委員提出資料 安全性の確保等に関する施策の実施状況に係るもの
1) コミナティ筋注Ⓡ(ファイザー社)接種に伴う死亡リスクについて:厚生科学審議会 (予防接種・ワクチン分科会 副反応検討部会)の第 62 回会合(2021 年 6 月 23 日開催)の副反応疑い報告に関する資料によると、接種後の死亡が 355 例報告されている。6 月 13 日までに報告された死亡 277 例を接種人数(1714 万人)で割った頻度は、16.2 件/100 万人接種であり、1 億人が接種すれば単純計算で 1620 人が死亡することになる。仮に 16.2件/100 万人の死亡リスクがあるとき、それは接種期待し得るベネフィットに照らして許容し得ると考えるか。
2) 上記 1)の接種後の死亡リスクは、新型コロナウイルス感染症による死亡リスクが低い小児や若年者では、相当な低リスクでなければ許容し得ないと思われるが、どの程度なら許容し得ると考えるか。
3) コミナティ筋注Ⓡ(ファイザー社)接種に伴う死亡リスクのロット番号による違いについて:ワクチン接種後の死亡例の割合がロット番号により異なるように見えるが、ロット番号により死亡リスクが異なる可能性があると考えるか。異なるとすれば、その理由として考えられる要因は何か。
4) コミナティ筋注接種に伴うアナフィラキシーのリスクについて:アナフィラキシーの頻度(報告割合)が、新型コロナワクチン以外のワクチンに比べて高く、何らかの安全対策を講じるべきではないか。
5) 新型コロナワクチン接種に伴う副反応の報告割合(「死亡」、「重篤なもの」の内訳を含む)について、他のワクチンと比較した資料をお示しいただきたい。
6) COVID-19 ワクチンモデルナ筋注の以下の添加剤の概要と添加剤の健康影響(リスク)の可能性についてご説明いただきたい。・SM-102、PEG200-DMG、DSPC、トロメタモール、トロメタモール塩酸塩その他
○佐藤委員 私からの提出資料のほうに質問の概要をまとめさせていただいたのですけれども、それについて回答いただけますでしょうか。私の質問は、まず死亡例ですね。6月23日の副反応検討部会の会合では接種後の死亡が全部合わせてファイザーで355例、モデルナで1例報告されています。ファイザーの355例を単純にその接種回数で割ると、1700万人で割ると、約5万人に1人の死亡例が報告されているということです。厚労省の資料では277例について頻度を求めていますけれども、100万人接種当たりですと16.2件ですね。こちらで計算しても、もし仮に1億人が接種すると単純計算で1,620人が死亡することになります。
先ほど花井委員が言われたように接種してしばらくたってから亡くなられた例というのは、まだこれから遅れて報告がされてくるということがあり得ますし、ここでは医療機関から因果関係が一応疑われて報告されたものが多いと思いますので、医療機関から報告されなかった死亡例というのも恐らくたくさんあって、それらのうちには実際に因果関係があるものも恐らく含まれているだろうということを考えると、実際はこの頻度よりも高い頻度でワクチンの接種による死亡が起きている可能性も考えられるというように私は思います。もしかすると10倍ぐらい高い可能性も視野に入れておかなければいけないのではないかと思います。一般的にこのような副作用報告、副反応報告というのは実際に生じた事例の一部しか報告されないというのが常ですので、実際に旭川医大のように医療機関は報告しないと判断したけれども、遺族からの依頼によって報告がされたという例も報道されていますので、そういう例は恐らく全国の至るところにあるのではないかと思います。
そういうことも考えると、一応100万人接種当たり16.2件ということが仮にワクチン接種による死亡だと仮定した場合に、そのような死亡のリスクというのはベネフィットに照らして許容し得るのかということについてお答えいただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○山口予防接種室ワクチン対策専門官 ・・・先生からいただいた御質問の内容に関しましては、現在、接種後の死亡と報告されている事例の多くがワクチンの接種との因果関係があることを前提ということで御質問いただいているかなというように認識したしておりますけれども、現時点においては報告されている死亡事例についてはワクチンとの因果関係から否定できないと専門家に評価されたものはなく、御質問の前提として若干ずれているところもあるのかもしれないというように認識しています。・・・・・(事務局の回答については一部または省略しています。詳細は上のリンクから議事録へ)
○佐藤委員 すみません、それでは、回答になっていません。端的にお答えください。100万人接種当たり16.2件の死亡が仮に真実だったときにこのリスクは許容できるのか、できないのかをお答えください。
○林予防接種室長 ・・・・ずっとこの副反応部会が始まるとき、この新型コロナワクチンについて議論が始まるときから議論していることなのですけれども、たくさんの方に接種をさせていただきますと偶発的にその日、その翌日、その翌々日、亡くなる方の数というのは相当無視できない数になるということが接種の始まる前から議論されてまいりました。そういったことから考えて、これまで議論してきている中では、それら全てが新型コロナワクチンの接種による死亡であるというような仮定を置いて議論するということはなかなか難しい状況ではないかというように思います。・・・・・・
○佐藤委員 そういうことをおっしゃるのなら、なおさら日本薬剤学会が提言した個別の因果関係を問わない接種者と非接種者を比べたときの死亡リスクを比較する体制をきちんと取るべきなのですよね。そのことを疫学的な評価をしない限り、この問題はきちんとした評価ができないわけです。そのことを前回の委員会でやるおつもりがあるのか、あるいはやれる体制があるのかということをお聞きしたのですが明確な回答はなかったと記憶しております。やりたいけれども、なかなかもにょもにょという回答に終始したかと思うのですが、その後、その死亡例を含む有害事象の頻度の比較をするような体制というのをつくることに関する進捗状況について教えてください。
○林予防接種室長 ・・・・・こうした取組をどこまでできるか一生懸命広げていくことで、佐藤委員のおっしゃるところに、できるところからできるだけ早く一歩でも近づきたいというように考えているところです。
○佐藤委員 ありがとうございます。
私としましては、現時点でやはり100万人接種当たり16.2件の死亡が起きている可能性が否定できないというように思うのですね。ですので、そういう点から考えると、これは重大な懸念に当たると思います。ですので、私はこの委員会として何らかの提言なり意見をまとめて厚生労働大臣に提出すべきでないかというように思います。
理由は幾つかあるのですけれども、死亡の問題だけではないですね。アナフィラキシーについてもアナフィラキシーの定義というのがあるわけですけれども、それにしても比較的重大なアレルギー症状ということで医療機関から報告が上がっているわけで、それをアナフィラキシーの定義に当てはめるかどうかということは別にして、そういうこともかなりほかのワクチンに比べれば相当10倍ぐらい高い頻度で報告が上がっているわけですよね。そういうことを考えると、このまま放置していいということにはならないのではないかと思います。
○磯部委員長 決して放置していいとは誰も思っていないだろうと思いますので、御指摘も踏まえて今後も分析を続けていただくということに尽きるのではないかと思います。また、ほかの委員の先生方の御意見もその点、伺えればと思いますけれども、どうしますか。特に今の点について死亡例の評価の仕方、今後の何かウォッチォの仕方、御意見、森豊先生とか何かありますか。すみません、急に。
・・・・・途中省略・・・・・
○佐藤委員 ありがとうございます。
通常、医薬品とその何かの有害事象との因果関係を判断するアルゴリズムとしては、例えばWHOが提唱しているアルゴリズムなどがあるわけですけれども、そこでは例えばポッシブルですね。可能性ありというように判断する場合には他の要因による基礎疾患による可能性があったとしても、恐らくそちらのほうが可能性は高いだろうという積極的な判断がなされない限りはポッシブルになるのです。
他の基礎疾患がなくて薬以外になかなかはっきりした要因が考えにくい場合にはプロバブル、あるいはディフィニットというところに判定されるわけですけれども、そのWHOのアルゴリズムに従うと、私は評価不能というよりはポッシブル、可能性ありというところの判断になる症例が多いのではないかなというように個別に公表された資料に基づいてだけですが、そういうようには私からは見えるわけですね。これはそういう私、薬剤疫学を専門にやっておりますし、医薬品の副作用の個別の症例の評価についてもそれなりにやってきたという自負は持っていますので、そういう立場から申し上げるのですが、それがほとんどの例が評価不能というようになっているというのは相当な疑問を抱いています。少なくとも可能性が否定できないというところに当たる。その可能性をプロバブルというように積極的に因果関係を認めるというところにはなかなかいかないかもしれませんけれども、少なくもポッシブルということはほとんどの例について言えるのではないかというように思っております。
ですから、厚労省の方がずれていると言ったのは、私からすると厚労省の見解のほうが、私の専門の立場からすると相当にずれていると言わざるを得ないというように指摘をしておきます。
・・・・・以下省略・・・・・