もう何年も前に解消した身から言わせていただくと、まだこんなことをやっているのかという感想を持ってしまします。何か有効な治療法が開発されたのかと、色々探してみました。そこで出てきたのがアニヨベ発声運動、耳に輪ゴムまたはひもを付ける、という方法です。うーん、どうでしょうね。舌の付け根が睡眠中に下がってしまう問題を捉えたところは良いのですが、これで何処まで使えるのかということです。
これをやると舌の根元が気道を塞ぐところにまで下がらないそうですが、睡眠時無呼吸の人は舌の根元が下がることが問題なのではなく(誰でも下がります)、気道が閉塞しやすい問題を抱えている(下顎の要因)ということからすると、どうも限度があるように思えます。軽度のものなら良いが重症だと無理と予測します。だから対症療法であって根本的な解消でありません。ただこうした試みは有意義であって、全部を否定は出来ないようですね。
歯科医である山田宏参議院議員が解説しています。推定患者数は何と2,200万人だそうです。
こんなに多いのかと驚きますが、でも少し考えてみましょう。昔私たちが子供の頃にこのような病気があったでしょうか? 私は聞いたことがありません。そもそもこの病名はツアーバス事故で多数の死傷者が出てから、一気に注目されるようになったものです。
国内における事件・事故 | SAS対策支援センター – 睡眠時無呼吸症候群(SAS)の総合サイト 医学博士平田 恭信 監修 (sas-support.or.jp) 日本でSASが注目されるようになったのは、2003年のJR山陽新幹線居眠り運転事故がきっかけですが、その後もSASによって引き起こされたと考えられる事故は後を絶ちません。
2012年には高速ツアーバスが関越自動車道の防音壁に衝突し多数の死傷者が出ました。このバス運転手にはSASの症状が確認されましたが、同時にバス会社の従業員に対する安全管理体制も問題となりました。
10年、20年以内です。睡眠時に呼吸が止まり、息をしていない、身体の酸素供給が減少して酸素不足に陥る、日中は眠気に襲われて集中力が低下、最悪の場合は眠り込んでしまい、運転中は交通事故の恐れがある、というものです。
そのおかげで運送会社では運転者に簡易検査を行うことが指導されていますし、そこで問題ありとされた場合は乗務できないことになっています。その事故以来、無呼吸は社会問題となって運輸事業を行う会社には行政からの指導がしっかり入るようになりました。
私は無呼吸症になりやすい職業はあると思っています。職業というよりは仕事中の動作です。それは首に負担がかかるような動作です。運転手の事故から有名になりましたので、先ず第一に車の運転です。これはどういうわけか、前を見るとき、周囲を見るときに顎が上がる傾向、首から伸び上がった姿勢で運転していることからきてるように思います。何年も何十年も運転していると、その身体の向きや首の使い方が姿勢として定まってしまいます。
例えば何時も右のドアのところに右肘を乗せて運転していると、やがて骨格がそれに合う形になっていき、運転していないときも右肩が上がったようになってしまう人がいます。これと同じように首や顎に負担がかかるような姿勢で運転していると、それがその人の姿勢になってしまいます。普段気がつきませんが、職業運転者では姿勢が良い人はあまりいないようですね。
同じことはうつむく仕事をしている人にも見られます。これは事務系の仕事でどうしても机の上の作業ですから、それを見るためにうつむくようになります。そうならないために自分で姿勢を正して気をつけている人もいますが、大半はうつむいて作業をしています。
この人たちは肩こり症で、ドンドン首に負担がかかって頸肩腕症候群を発症して、自律神経症状で首や肩の疲労が顕著になります。
運転でも事務作業でも身体の不調を放っておけば、やがてそのまま症状が固定されてしまいます。なかなかそこから抜け出すのは難しいですね。早く気がついて姿勢を正すこと。腸が免疫の要であるのと同じで、首は身体のバランスを取るための要です。まずは姿勢を正すことを意識して行っていくことが必要です。
睡眠時無呼吸症候群は体重が増えたから発症したので、痩せれば軽快する。いかにも本当のように聞こえる解説ですが、これには真っ正面から反対します。痩せている人でも顎の骨格の問題でなるし、太っていても大丈夫な人がいます。医学情報の中のデマレベルですね。
私は先程から首だ首だと言っていますが、無呼吸は首は原因なのか? と言う人がいると思いますが、その通りです。