睡眠時無呼吸症候群の国内推定患者数は200万人とか、治った人はいないとか、Cpapやマウスピースは一生使い続けなければならないとか、タバコをやめて減量しなければならない、肥満が原因、日本人の顎の骨格が小さいのが理由、・・・・・。
死傷事故を起こしたドライバーが睡眠時無呼吸だった、というニュースと共にこの病気は一躍有名となり、今や社会問題となりました。
もうそろそろ、この馬鹿げた騒ぎに終止符を打ちたいと思います。
今回は睡眠時無呼吸症候群を筆者がどう捉えているかを書いていきます。
睡眠時無呼吸とは『誰かがあなたの頸動脈を押さえて、ここを圧迫し続け、気絶しかかっている』のと一緒です。
この『誰か』とは何者でしょうか。
そう、それはあなたの身体なのです。
あなたの身体があなたを押さえつけている状態、それがこの病気の正体です。
だからそれをやめれば良い、それだけです。
以前に話したと思いますが、現代人は前かがみの姿勢を取ることが多く、デスクワークやパソコン作業、車の運転などは身体が前側に傾きやすくなります。
その身体を持ちこたえるために、必死に筋肉で支えようとします。こうした動作を毎日くりかえしていると、身体の後ろ側(背中)が上がってきて、前側(胸)が下がる現象が生じます。
やがて筋肉と関節は拘縮を起こしてしまい、身体はどんどん歪んでいきます。それが何十年と続いていきます。
もう耐えきれなくなった時、身体は悲鳴を上げながら、本来そこにある筈のないところ(首)に軟部組織や脂肪などが盛り上がってくる(せり上がってくる)訳です。
これが気道を狭くしている正体です。
手術しても数年後に、また気道が狭くなる理由はこれで説明できます。
睡眠時無呼吸になりやすい人とは、身体が苦しいと訴えているのに、自分の身体に無頓着でケアをしない人です。
就寝中に舌が落ち込んできても、気道が広く確保されていれば問題なく呼吸ができるはずです。舌が落ちることは普通の現象です。
実際に自分が治った時は、喉の下の方からスースー呼吸の通りが良くなって行き、それが上の方まで徐々に改善していったのです。今までよりも、もっと多くの空気を吸い込み、もっと多く空気を吐き出していると感じられました。それとともに、耳の症状も改善していきました。
耳の後ろ(耳たぶの後ろにある柔らかい所)から首にかけて、そして肩の付け根まで筋肉が走っています。
ひとつは胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)です。
そしてもうひとつが斜角筋(しゃかくきん)です。
ここが悪くなると、めまいや耳の圧迫感に悩まされることがあります。
そうです、原因不明の、めまいや耳の圧迫感、耳鳴りなどは睡眠時無呼吸と同じ場所から来ているのです。
その場所とは、首を中心にしてその周囲に広がっています。首と頭骨の間、肩と首の間の付け根、そして上半身の骨格と姿勢、首の筋肉である『胸鎖乳突筋』『斜角筋』などが大きく関係しています。

胸鎖乳突筋、斜角筋
胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)は胸骨・鎖骨から始まり、耳の後ろ(側頭骨の乳様突起)まで続いています。首を曲げたり、首を左右に回転させたり、前に倒したり、胸骨と鎖骨を引っ張り上げるなど、重要な働きをしています。首を曲げるとここが浮き出てくるため、見た目にも分かりやすい部位です。
斜角筋(しゃかくきん)は胸鎖乳突筋の奥にあり前斜角筋、中斜角筋、後斜角筋に分けられます。
前斜角筋は頸椎のc3~c6から第一肋骨まで続き、首を横に倒したり横に倒したりする働きがあります。また息を吸う時には第一肋骨を引き上げて呼吸を助けます。
中斜角筋はc2~c7頸椎から第一肋骨まで。機能は前斜角筋と同じですが、この二つの筋緊張によって手や腕のしびれを生じさせ、胸郭出口症候群となることがあります。
後斜角筋はc4~c6頸椎から第二肋骨まで続き、第二肋骨を引き上げ呼吸を助けます。
この場所は身体全体の歪みが最も出やすい部位です。だからここだけ治して、はい終わり、とはならない訳です。
ところで、胸鎖乳突筋や斜角筋だけであれば、筋肉の整体や接骨院、マッサージなどで解決可能なはずです。めまいや睡眠時無呼吸の治療で、これらのお店が大賑わいになってもおかしくありません。お店の看板にこれらの症状を掲げておけば、患者で一杯になるでしょうし、医療機関は患者がいなくなって閑古鳥が鳴くはずです。
しかし、そうなっていないのは、これだけでは解決できないからです。
数十年間の身体の使い方の結果ですから、2,3回通ったくらいでは効果が出ないし、そんなに簡単にはいきません。症状が出やすい姿勢や身体つきが身に付いている、ということです。
学校で使っていたノートに挟む下敷きを思い出してください。ペラペラで良くしなるのでウチワ代わりになります。この下敷きが3センチの厚みだったらどうでしょう。硬くて曲がりませんね。これが継時変化で歪んでしまい、平らでなくなりました。これを元に戻そうと指先で治してみる、反対側に曲げたり、ねじったり、それが今お話しした即席治療です。しかし元のようにはなりません。本当に治すのなら、熱を加えて上から押さえなくてはなりません。
両肩が内側に巻き込んでいる、うつむく姿勢ばかりとる、首に怪我をして治らないまま経過している、・・・。これらのものは、首から上の場所に症状を作っているのです。少しでも治したいと思うのであれば、今日から姿勢を正す練習を始めなければなりません。
では具体的にどうすれば良いのか。
これについては、会員ページの中で改善方法を紹介していきます。