2008年10月4日の記事,当時の体験記としてお読みください。
こんなことをいうと、何だそんなに忙しかったの? と思うかも知れませんが、そうではなくて本当に目
がまわってしまう体験をしました。
トラックに乗っている皆さんにも関係のある話なので、ここで書いておきます。
運送会社にいると怪我をすることが多く、後ろ向けに荷台から転落したり、ヘルニアやギックリで腰
を傷めたり、パレットをおもむろに引っ張って肩を脱臼したり、ぶつけられて首が鞭打ちになったり、
階段上げばかりで膝が痛かったりと、とにかく怪我はつきもので、それでも仕事は休めず気力で
頑張ってしまうものだから、数年後にはさらに悪くなってしまうのです(これは私の事例です)。
皆さん、体はいたわりつつ、仕事してください。
こんな事の繰り返しで、怪我をすると現場では長く働けなくなりますから、
無事に過ごすことが定年まで勤める条件なのです。
上手く手積み手卸しのないところに行ければいいのですが。
これからお話しするのは、つい最近まで何が原因なのか分からなかった、私の病気のことです。
今から1年半ほど前の3月半ば、内リンパ水腫の診断を受けました。(医師によってはメニエール
症候群の診断)日常の動作の中でふらつき、めまいなどを伴い、聴力が低下し、トンネルの中に
入った時のような耳の圧迫感が続くのですが、原因は不明とされています。
作用機序は内耳の中に内リンパ腔というのがあって、内リンパ嚢での内リンパの吸収障害に
よって起こるそうです。何のことやら分かりませんが、内耳なので身体の姿勢や動きに合わせて
しっかり立たせてくれる大切な部位、三半規管や前庭の機能が阻害されている状態と思ってください。
たっぷり薬を出されて飲んでいるにも拘らず、いつまで経っても効いてくれる様子がなく、症状は
なくなりません。目覚ましが鳴って起きようとしても、目がまわって立ち上がることが出来ません。
そのまま前に倒れこんでしまいます。
しばらく座っているのですが、さあ、と立ち上がると頭がフラフラとしてよろけてしまいます。
ちょうど40度の熱を出して体がフラフラになった時のように、動作は鈍くなり、億劫でとにかく
時間がかかります。大げさにいうつもりはありませんが、30分もあれば出かける準備が出来るのに、
こんな時は2時間も3時間もかかるのです。首から上がジリジリして、熱く焼けるような感じになり、
気分もとても悪く、イライラが募ります。仕事に出てもアイスノンで首のところを冷やしながらですが、
ものを考えられない、活字が読めない状態。
とても自分の身体とは思えないほどで、いったいどうしてこうなったのかと、思いを巡らす毎日でした。
特に天候の状態が影響するらしく、気圧の変わる曇りや雨の日、猛暑になった日などは最悪です。
自分の体は天候で左右されるのか、と不自由さを覚え、しかし人に話してもこのような
珍しい症状では理解してもらえていない事は分かりました。
たっぷり薬を出してくれる医者に、他の薬を出してくれるよう頼みましたが、
「これで3か月やって効かなければもう治りませんね」と言われ、もう治らないのかと、
人生が終わったようにも感じました。
しかし、治らない=仕事が出来ない、という事になるので諦めるわけにもいかず、
自分でありとあらゆる処を訪ねて歩きました。
とにかくインターネットで情報を集め、めまいとふらつきを解消する方法、
眠っている時に何か異常があるのではと思い、睡眠クリニック、
首から上が熱くなるので甲状腺の検査、
症状が似ていたので更年期障害の検査(今年3月)
検査をする度に、何も異常ありませんという回答が返ってきました。
そうこうしているうちに10月半ばの涼しい季節になると、今までの事が嘘のように不思議と
楽になってきました。いつもの朝のフラツキも軽快してきて、イライラ、ジリジリする事もなくなり、
すっかり元の身体に戻ったようです。
思わず「治った!」と大喜びです。久しぶりに朝が気持ちいい! (なぜ治ったのかは分からない)
静かに落ち着いて過ごせる、他の人はこんなに楽なのかと、思ったほどです。
自分の中では病気はもう戻ってこない、と勝手に決めてかかっていました。
やっぱり再発したんですね、3月の暖かくなる時期に!
当初は自分で探した医師が出してくれた薬が効き、ホッとしたのも束の間、
熱くなって梅雨の時期になると、昨年より状態がひどくなっていきました。
一日中、目がまわっているようで、歩いていても段々左にそれてしまうので(左耳が悪いため)、
意識してまっすぐ歩かないといけなかったり、駅の高い所から階段で降りる時に、足元が見えず
転げ落ちそうになったり、高齢者のようにゆっくりでしか歩けないようになってしまいました。
これが治らないと自分のやりたい仕事が出来ない!
もうここまで来ると執念の塊状態です。
そこに行ったきっかけは、8月中旬、肩と首がコチコチに硬くなって、
そういえば以前に行った整骨院があったんだ。
身体が大変で、腰も足も肩も首も、ものすごく張ってしまうんですね。少しは楽になりたかったので。
通っているうちにメニエール症候群には鍼が効くと勧めてもらい、施術を受けることになりました。
首に鍼が刺さる時は、鈍い感触で、あまり良い感じではなかったのですが、
先生の腕は達人なのか、
翌日起きた時、あれ、めまいがしなくなった、何で?
鍼を何度か繰り返す中で、不思議とめまいはだんだん良くなってきました。
現在は、ほぼ体力を回復し、元気に毎日を過ごせるようになりました。
・・・・・・(この部分は当方の都合により削除しました)
首が原因だったのか?
まさか! 上り坂、下り坂、そしてまさか、の、まさかです(小泉純一郎氏)。
そういえば、首には心当たりが・・・・・・・・・・・・・。
初めに書いた通り、鞭打ちになったり、脱臼したり、若気の至りもあったり、
数年来、首の調子はずっと悪かったのですが、この症状と結びつけて考えたことはなかった。
整形外科でも異常ないといわれ、自分でも異常がなければいいかと。
今、自分で考えるには、首と肩の筋肉が硬くなり過ぎることで首から上への血流を妨げ、
内耳の水分(リンパ液)の排出入を障害したのではないかという事です。
トラックに乗っている皆さんの中に、首に怪我をしたり、首の負担を抱えている方々がいるかと思われます。
私も首に怪我をした当時、集中力が長続きしない、ボーっとしやすい、疲れやすいなどの症状がありました。
ですから、くれぐれも首のコンディションに気を配ってください。
最後に、
私のように、治療法が確立されてない医療の隙間に落ち込んでしまうと、効かない薬を出すか
検査しても異常ありませんと言われ、医師の治療は無効になりますから、
治療法は自分で探すしかなくなります。
最初に訪ねた医療機関のままずっとそこに掛かっていたら、今頃どうなっていただろうかと思います。
多くの医療機関を訪ねた経験からいうと、人の痛みや気持ちの分からない医師が、何と多いのか!
何でもなかったら、わざわざお金を払って来るわけはないでしょう!
この事は言っておきたいと思います。
しかし、お会いした2名の医師のかたは、本当に良く理解していただいて、心より感謝しています。
日に日に体の調子も良くなってきました。
早く気がつけばよかった、と思いますが、これも何か意味のある体験として記憶しておきます。
長い文章にお付き合いいただいて、ありがとうございます。
2008年10月4日記事