交通事故防止

千葉八街児童5人死傷事故

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交通事故は突然に人の命を奪ってしまいます。通学(帰宅)児童の列に大型トラック(見た感じでは4t車)が突っ込んでしまう惨事。しかも飲酒運転だという。事故の報を聞くたびに、何ともいやな気分になります。

心よりご冥福とお見舞いを申し上げます。

センターラインが無くガードレールも無い、幅7メートルの直線道路。事故が起こったことで道路整備に問題があったと指摘されていますが、このような道路は全国の至る所にあります。もし仮にこの場所を整備していれば児童5人の死傷事故を防げたかどうか、筆者は疑問に感じています。

スピードを出したトラックの破壊力は、ガードレールでも、コンビニ駐車場にある鉄柵でも容易に突き破っていきます。ですから絶対に歩行者を守りたいのなら歩車分離を徹底化、歩道を車が入れない高さに盛り上げて造成するしかありません。しかしコストの面からあまり現実的では無いようです。

国道に出る抜け道だということで、ここを通る車はスピードを出すようですが、速度を落とさせる方法はあります。路面に段差や凹凸をつける、住宅地に差し掛かる手前で、車1台分までガードレールなどで道幅を狭める。こうすれば、そう簡単にスピードは出せませんし、大型や荷物の積載車は入りづらいです。

八街市(やちまたし)は筆者の自宅から比較的近いところにあります。仕事で何度か行きましたが、雑木林や畑ばかりで車はスピードを出したくなると思います。10数年前の記憶です。

 

これまでの報道を列挙します。特定の個人を非難するものでは無く、事故防止のケースとして取り上げます。固有名詞は全て省略します。

基準値を超えるアルコールが検出された、帰る途中に酒を飲んだ「右側から人が道路に出てきたので、よけようと左に急ハンドルを切った。電柱にぶつかり、そのまま子どもたちの列に突っ込んでしまった」などとも供述。帰着地の会社までは、あと200メートルの地点で事故。

警察によりますと、トラックは進行方向左側の電柱に衝突したあと、その先にいた児童の列に正面から突っ込み、電柱から40メートルほど先で道路脇の畑に突っ込むようにして停止したということです。

現場近くの防犯カメラに、トラックが緩やかに左に進みながら電柱に衝突する様子が記録されていたことが、捜査関係者への取材でわかった。

平成16年から今の仕事をしていて会社には毎日まじめに出勤していた。

また、30代の母親は、「事故現場は速度を出す車も多く、大型トラックも頻繁に通るため、ふだんから『危ないね』と話していました。こんなことになって本当にショックです」と話していました。

現場には目立ったブレーキ痕がなかったことが警察への取材で分かりました。

事故の直前、時速50キロほどで走行していたとみられることが分かり、事故の状況を調べている。

警察は飲酒の影響で居眠り運転をしていた可能性があるとみて捜査

酒を飲んだ後、潰れて寝てしまうことが多かった。

平日でも来ていた。酒はとにかく好き、静かに飲む人。1日で焼酎の1本を半分くらい飲む。ペースは早い。

勤務先の関係者は「ベテランの運転手」「真面目で(事故当日も)元気よく出てきていた」と容疑者の仕事ぶりを評価しつつも、飲酒運転事故の疑いに「なれ合いがあったのかもしれない」と肩を落とした。

 事故現場付近に住む女性は容疑者について「以前、ガソリンスタンドに勤めていた時にもタンクローリー車を横転させる事故を起こした」と打ち明ける。容疑者宅の近所に住む50代男性は「酒は飲むが、迷惑を掛けるようなこともなかった」と戸惑った様子だった。

 一方、29日に報道陣の取材に応じた容疑者の母親は「悪いことをした」と声を絞り出した。容疑者の性格を「真面目で人を優先し、面倒見が良い。優しい息子」と説明。

 

第一に、飲酒運転はどんなベテランでも事故につながりますから、絶対にダメです。第2に、アルコールチェッカーは、車を使う全ての事業所に義務付けとすべきです。第3に、運送会社でいうところの点呼がなされていないこと。これは事故防止に対する姿勢が欠如しています。信頼関係に任せる、とは都合の良い言い訳でしかありません。

当該運転者は飲酒運転がダメなことは百も承知しているでしょう。しかしダメと分かっていても、その日の気分で変わることはいくらでもあります。人の面倒見が良い、真面目で人を優先する人柄だと分かりますが、自分の運転に対して何時からか甘くなったのではないでしょうか。仕事を終えて帰着の道で何度かやったことがあるかも知れません。そのうちに大丈夫と思えるようになったかどうか。

 

『なるだけ事故は起こさない方が良い』という人には運転する資格がない

ハンドルを握ったら絶対に気を抜いてはならない、とは職業運転者の適齢診断で無事故の受診者から頻繁に聞く言葉です。

ということは、気が抜ける要因を作ってはならない、とも言えるわけです。これは自分の運転を振り返る中で検討できます。

自分の運転に対する甘さ、というのはこれ位は良いだろう、大丈夫だろう、というもので『なるべくなら事故は起こしたくない』も同じです。ミスというのはいつでも起こり得ます。その時はたまたま無事だっただけです。

なるべくなら、とは出来るだけ、ということです。これは事故が起こってしまったらしょうがない、とも聞こえてきます。何だか運が悪かったとか、相手のせいで、とか、あの状況ではどうしようもない、などと同じです。

運転に対する考え方が、その人の運転を決めてしまいます。

私は『事故を起こすことは何よりも悪い』と思って運転してきましたので、その時以降、上手な運転でないけれども無事でした。

何十年も無事故で来た職業運転者が『ハンドルを握ったら絶対に気を抜いてはならない』と言っています。

 

帰着地まであと200メートルの意味するもの

当該運転者が飲酒して居眠り運転なら、もっと手前で事故を起こしたと思いますが、ここまで酔いながら朦朧として、何とか帰着地のすぐ近くまで辿り着いた時、安心して気が緩んだのではないでしょうか。もっとも何処で飲酒したのかは分かりませんので、あくまで推測です。しかしアルコールが身体に回って、出来上がるまで時間はかかります。

実は到着地まであと200メートルというのは重要な意味があります。職業運転者との面接の経験上知り得たことですが、何処で事故を起こしたのか聞いたところ、頻繁に出てきたのが目的地に到着する少し前、全部終わって会社に帰ろうと走り出した直後、会社に着く直前、です。

このような場面では、気を引き締めて周囲を見回し、緊張する必要がないのです。自分の知っている場所、いつも通っている道などでも同様です。

緊張と弛緩の関係を理解すると、ヒヤリ・ハットを減らすことが出来ます。

 

 

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